白衣で笑顔を見せる若手医師。大学病院で徹夜で緊急手術にあたった後、アルバイト先の病院に向かう途中に交通事故を起こして亡くなりました。この医師、「無給医」でした。(社会部記者 小林さやか) 無給医とは、大学病院などで無報酬で診療にあたっている若手医師のことです。取材した当事者たちは、生計を立てるため、病院のアルバイトを掛け持ちし、疲弊し切っていました。 「うつになった」「心身共に限界」「いつか死ぬのではないか」 そんな悲痛な声も数多く聞きました。そこで、無給医が過去に最悪の事態に至ったケースはなかったか取材したところ、今から16年前の前田伴幸さんという若手医師の死にたどりついたのです。