他方、書籍や雑誌、テレビなどでは、このような問題自体が提起されず、ウソや不正確な情報が無反省に発信され続けている事例もある。 記者(朽木)はWELQ問題をきっかけに医療記者になり、WELQ問題に端を発するネット時代の医療情報との付き合い方を取材した内容をまとめた書籍『健康を食い物にするメディアたち』を3月25日に出版したばかりだった。 しかし、このような問題が繰り返されれば「いたちごっこ」「もぐらたたき」という指摘を免れ得ないだろう。 ネット上に限らず、メディア全体に存在する、医療についてのウソや不正確な情報、医療デマ。生活者は、あるいはメディアは、これとどうやって向き合い、是正していくべきなのか。 かねてから情報発信における科学的根拠(エビデンス)の重要性を指摘する、医療政策学者でカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)内科学助教授(医師)の津川友介氏に話を聞いた。 医療デマの原因の