医療費削減を目指して厚生労働省が二〇〇六年度に導入した「七対一病床」が当初の想定をはるかに超えて十倍近くに拡大し、最大二兆円余りの医療費が過剰に費やされた可能性が出ている。導入時に厚労省医療課長として携わった麦谷真里(まさと)・元同省審議官は「病床を減らせるのではと思っていたのに、気づいたら十倍になっていた」と本紙に証言した。 (井上靖史) 患者七人に看護師一人を充てる「七対一病床」の一日当たりの入院基本料は、制度導入時に一万五千五百五十円に設定された。それまで最高だった患者十人に看護師一人の「十対一病床」より二千八百六十円も高かった。麦谷氏が振り返る。 「当時は看護師が少なかったので、すぐに雇えるとは思わなかった。高い報酬を得るために、病院は『分母』の病床を減らすか、『分子』の看護師を増やすかしないと、七対一にならない。そこでおそらく分母(病床)を減らすだろうと思った」 七対一病床を導入
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