現在所属する事務所は六本木ヒルズにオフィスを構える。背後には住宅棟を望む升永氏の執務室〔PHOTO〕鬼怒川 毅 「一票の格差」に関する高裁・高裁支部の判決が今月、各地で続々と出される。3月6日に東京高裁、7日に札幌高裁で「違憲」判決が出たのを皮切りに、全国で計16の判決が下される予定だ。その訴訟の中心人物が升永英俊弁護士(70)だ。 「50年前に大学で憲法の講義を受けたときから、『これ(格差)はひどい』と思っていました。その後、日常の仕事に追われ、手をつける時間がなかった。 '02 年に日亜化学工業の事件の中間判決が出る直前くらいに、『いまの国会は、少数者に選ばれた代表が国家権力を行使している』と気づいたんです」 升永氏は東大法学部、工学部の双方(!)を卒業、司法試験に全体2番で合格。米コロンビア大に留学し、ニューヨーク州、ワシントンDCの各弁護士資格も得た。並外れた頭脳を武器に勝ちとった
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