2011年11月24日 食と色 カテゴリ:食事 食品添加物というといかにも悪い物、不要な物と思えてきて、その中でも着色料は特に不要な物のように思えます。着色料とは文字通り食品に色を着けるための物で、よく言えばその食品をより美味しくいただけるように演出してくれる物、悪く言えば安直にきれいな色合いを作り出す物という事ができます。 現代の工業的食品製造の申し子のようにも思える着色料ですが、その歴史は非常に古く、古代インカ帝国ではカイガラ虫から赤や黄色の色素を取り出す今日の「コチニール色素」の存在がすでに知られており、古代エジプトやローマでも食品に色を着ける例は見られています。 日本では、古い時代にはあまり食品に色を着けるという例は見られず、奈良時代の小豆を使って赤く色付かせた「赤小豆餅」や、平安時代の宮中儀式の中で小豆などの穀類やゴマ、栗といった物を使って色付けした米や餅、粥などが登場する程度に