ゴリラがヨーロッパの動物園に初めて登場したのは19世紀の中ごろです。当時はゴリラが暗黒のジャングルにすむおそろしい動物だと考えられていたので、当然肉を好んで食べると見なされました。そのため、動物園では長い間ゴリラに肉を与えていたのです。そのため、お腹を壊したりリューマチになったりするゴリラが後を絶ちませんでした。日本でも、1950年代に初めて上野動物園にゴリラがやってきたころ、馬肉のスープを与えていました。でも実は、ゴリラは肉食ではなかったのです。 また、つい最近まで、ゴリラは巨大な体を持つように特殊化し、進化の袋小路に入ってしまった動物だと考えられていました。硬い木の葉や樹皮、根などを食べられるように頑丈な歯と胃を持ち、長大なそしゃく器官と消化器官を収める大きな体を発達させたというわけです。たしかにゴリラは、繊維質をたくさん含んだ植物をバリバリと音を立てて食べます。竹の子を食べているとき