ますます深刻化する日本の人手不足問題。労働市場研究の専門家・古屋星斗氏は、すでに医療・介護、物流、建設などの現場からは「これ以上もたない」と悲鳴が上がっているという。人手不足問題に詳しい経営コンサルタントの冨山和彦氏は「フルタイム」を前提とした昭和のモデルは事実上、崩壊したと指摘する。日本はいま転換点を迎えているという2人が、人手不足時代の課題と希望を語り合う。 重要なのは“1時間あたり”の生産性 【古屋】日本はいま、社会全体に必要な働き手の数を確保できない状況になっており、企業の業績や景況感とは関係なく人手が不足する「労働供給制約」の時代を迎えています。これからの時代は、企業の経営におけるKPI(重要業績評価指標)も大きく変わっていくのではないでしょうか。 私は今後、日本の企業にとって重要な価値のバロメーターになるのはROI(Return On Investment=投資利益率)ではなく