腹腔鏡(ふくくうきょう)を使った肝臓手術で患者8人が死亡した群馬大学病院(前橋市)で、肝臓の開腹手術を受けた患者にも死亡が相次いでいた。 開腹手術の死亡率は10%を超える高い割合。患者側にはその事実が知らされることはなかったが、納得いかない思いを抱えてきた遺族もおり、「病院側の説明を聞きたい」と望んでいる。 「治すために受けた手術で亡くなるなんて、父も家族も考えていませんでした」 群馬県内の60歳代の女性は、そう言って言葉を詰まらせた。女性の父は群馬大病院第二外科(消化器外科)で肝臓を切除する開腹手術を受け、約50日後に亡くなった。 父は2010年秋、胆管がんと診断された。もともと肺や腎臓に持病があったが、担当医から「手術できる」と言われ、11月末、開腹手術で肝臓の半分ほどと胆管を切除。執刀医だった男性助教からは「手術は成功した。3週間で退院できる」と説明され、「正月は家で過ごせる