薄暗い室内に足を踏み入れた時、目の端にちらちらと動く光を見て少し驚いた。カラーテレビがついていた。ケニアの首都ナイロビにあるマザレスラムの家庭を訪問した時のことだ。8畳ほどの居間と台所として利用している土間で構成されている長屋のようなアパートメントの一角に、14インチほどのテレビが大切そうに置かれていた。7年前に近隣のスーパーマーケットで、約2万円で購入したという。 ナイロビには200を超えるスラムがあり、ナイロビの人口の約60%である250万人がトタン屋根ひしめく地区の中で暮らす。マザレスラムはナイロビ第2の規模で人口は推定で40万人。スラム内は水道や電気が未整備な地区も多い。 筆者が代表を務めるJCCP Mでは2013年にケニアにおける消費財の市場調査の一環として、このスラムに住む人々の生活状況の調査を行った。
![テレビも携帯電話もあった!ケニアのスラムで発見した文化的生活 世界が注目する“次の市場”アフリカ | JBpress (ジェイビープレス)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/81f9435816ed3853bb79be3b0968520e4ce3aec6/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fjbpress.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F2%2F0%2F1200mw%2Fimg_204af7eba46bc4ba150c7ddbd0ff17c969355.jpg)