北欧フィンランドで、ロシアの軍事的脅威に警戒が高まっている。フィンランドは欧州連合(EU)メンバーでありながら、北大西洋条約機構(NATO)には非加盟。千三百キロにわたって国境を接し、重要な貿易相手国としてロシアとの関係も重視してきたが、今秋のNATOの大規模軍事演習に参加を表明するなど、距離感は広がっている。 (ヘルシンキで、栗田晃、写真も) 首都ヘルシンキには全長約三百キロにも及ぶ地下空間が広がっている。普段はスポーツや商業施設、駐車場などに利用されているが、非常時には七十二時間以内に避難シェルターとすることが義務付けられている。 フィンランド国防省によると、非常時とは災害に限らず「軍事的な脅威も含まれる」という。ウクライナ南部クリミア半島併合以降、ロシアと欧米の摩擦が強まる中、ロシアからの軍事的脅威を想定しているのは明らかだ。
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