米国が5日に再開したイラン産原油に対する禁輸制裁は、経済難にあえぐイランの人々をさらに追い詰める。8月に第1弾の制裁が再発動されて以降、インフレ率が上昇し続け、国民生活を圧迫してきた。首都テヘランでは臓器売買で生活費を得ようとする人々も増えているという。 テヘランの病院前の壁や病院内のトイレなどには、臓器の購入者を募る手書きの貼り紙などが数十枚あった。イランメディアなどによると、イランでは「イラン腎臓財団」に登録して移植許可を得れば、提供後に財団から1億8千万リアル(約48万円)の謝礼が出る。ただ、早期の移植を求め、貼り紙やネットを通じて個人間で腎臓を売買し、財団の謝礼以外に代金を得る例が絶えないという。 臓器移植を専門にする病院で働くジャバッド・ミルサリムさん(23)は「病院内外で貼り紙を毎日はがすが、翌日には取引を希望する貼り紙だらけになる」。同病院の関係者によると、臓器移植は昨年比で