人間は、三つの点があると、「顔」であると認識してしまうという。 言われてみれば、そうかなという気はする。心霊写真の類にはそういうものが多い。光の加減などで偶然にできた三つの点(影)を、守護霊だの地縛霊だのとこじつけたり。よくよく見てみれば、それは人の顔とは似ても似つかぬものなのに、何となく薄気味悪く感じてしまうのだ。 これは人間の本能なんだそうだ。この本能のおかげで、人類は敵の存在をいち早く察知することができた、とかなんとか。本当かどうかは知らない。でも、この本能のせいで、天井のしみが恐ろしげな顔に見えて眠れなくなるんだとしたら、皮肉なことだ。 音楽の話。 三つの音が鳴ると、そこに「和音」を聞き取ってしまうのは、ミュージシャンだけではないと思う。 メジャーコード、マイナーコード、あるいは不協和音という名の「和音」。それらは単なる音の連なりに過ぎないのに、人はそこに意味を見出だす。明るい感じ