首相と反原発派 禍根残す面会パフォーマンス(8月23日付・読売社説) 民主党政権の場当たり的な大衆迎合主義(ポピュリズム)を象徴する出来事と言えよう。 野田首相が、首相官邸前で反原発デモを続ける「首都圏反原発連合」のメンバーと面会した。 関西電力大飯原発3、4号機の再稼働撤回をメンバーが求めたのに対し、首相は「安全性を確認し再稼働した」と説明した。 国民の生活を守るという大局的見地から再稼働させた首相と、ハナから原発不要論を唱える反原発団体が折り合えるはずもない。 異例の面会に応じたのは、首相が「国民の声に耳を傾ける」という姿勢を示す狙いからだろう。 だが、首相が短時間とはいえ、反原発団体と面会したことは禍根を残したのではないか。反原発デモに一定の理解を示したと誤解されかねない。首相はこうした対応を今回限りとすべきだ。 むろん国民の多様な意見を聞くことは重要だが、首相はこれまでも国会論戦や