【モスクワ=遠藤良介】ウクライナ保安局(SBU)は5月30日、ロシア人ジャーナリストのアルカジー・バブチェンコ氏(41)が首都キエフで射殺されたとの情報は、ロシア特務機関による同氏暗殺計画を阻止し、捜査するために流布したものだったと発表した。バブチェンコ氏は生存していた。同氏の「射殺」は世界的に報じられただけに、ウクライナ当局の手法には諸外国から批判が上がっている。 キエフの警察は29日夜、バブチェンコ氏が自宅玄関付近で射殺されたとする詳細な情報を発表。グロイスマン首相ら高官も談話を出した。プーチン政権に批判的なロシア人ジャーナリストの殺害が多発していることはかねて問題視されており、「射殺」は諸外国のメディアで報じられた。 しかし、SBUのグリツァク長官は30日になって、「射殺」の発表は「特殊作戦」だったことを明らかにした。露特務機関が、ウクライナ人を雇ってバブチェンコ氏の殺害を依頼したと