既視感があった。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がパンデミック(世界的大流行)へと至り、世界中の国々で大勢の人が発病し、入院し、亡くなり、感染爆発を防ぐために移動が制限され、都市が封鎖され、そしていわれの無い差別が起こるといった現象。それらを3年ほど前に、講談社のコミック誌「イブニング」の上で既に視ていた。 山Pこと山下智久の主演でテレビドラマ化された『インハンド』の作者、朱戸アオが、2017年1月から1年にわたって連載したコミック『リウーを待ちながら』(講談社刊、全3巻)で繰り広げられた光景が今、数百倍でも足りないとてつもないスケールで起こっている。 富士山の麓にある横走市で男性が倒れているのが発見された。内科医の玉木涼穂が連絡を受けて駆けつけ、女性看護師とともに治療に当たった。男性は血を吐き、一時は生命も危ぶまれたが、体力があったためかどうにか回復する。 何の病気だったの
