「お詫びをすることはまったくないと。変更は当然あるべきだと」 7月29日にクアラルンプールで行われたIOC理事会に出席した東京五輪組織委員会会長の森喜朗は、国立競技場見直しについてIOCのバッハ会長から理解を得たことを、さも当然であるかのように胸を張ってこう話した。 いったいこの男はこの間、自分が何をしてどういう事態を招いたかがわかっているのだろうか。もう一度、念を押しておくが、新国立競技場問題の最大の戦犯は五輪組織委員長である森喜朗だ。 オリンピックではなく、その前年に予定されているラグビーW杯の為に国立競技場建て替えを画策し、当時の石原慎太郎都知事と密約をかわし、競技場の事業主JSCや組織委員会の人事に介入し、五輪のメイン会場に国立競技場を押し込んだ。そして、安藤忠雄とともにザハ案をごり押しし、高騰する建設費にも変更を拒否し、自分の利権を守ろうとした結果、起きたのがこの事態だった。 と