『手ごわい頭脳―アメリカン弁護士の思考法』という本を買ってきて読んでいるのですが、なかなか面白いです。全体の感想はいずれ改めて書くことにして、1つ面白いと感じた指摘を。 米国というと、「弁護士が多い」「バカな訴えが通ってしまう」などといった訴訟社会のイメージがありますが、著者のコリン・P・A・ジョーンズ弁護士は必ずしもそれが正しくないことを解説しています。例えば、「弁護士が多い」という点については、確かにその通りだとはしつつも まず、日本と比較する場合だが、実は「弁護士」という用語を用いることには大きな語弊がある。何故なら、アメリカの弁護士が手がけている業務の範囲は、日本の弁護士のそれよりもはるかに広いからだ。 アメリカで「ローヤー」(Lawyer)の資格を持っている人々がやっている仕事をざっと並べると次のようになる。日本でいうところの弁護士に加えて、検察官と裁判官(いわゆる法曹三者)も含