理想郷を求めて ここまでに、ブッシュのMEMEX、エンゲルバートのNLS、アラン・ケイのDynaBookというコンピューター利用の発達史を見てきました。 ケイのDynaBookは、MEMEXやNLSが目指した「情報の保存と検索」という考えとは多少異なります。しかし、「ユーザーのためのコンピューター」という新しい考え方を生み出しました。 では、情報を扱うための、正当な後継者はどこへ行ったのでしょう? ここに、テッド・ネルソンという人物が現れます。実は彼はMEMEXの論文を読んでシステムを考案し、NLSの登場を見て、新たなプロジェクトを提案します。 プロジェクトの名前は「Project Xanadu」。Xanaduとは神秘の宮殿の名前で、理想郷の意味でもあります。 今回は、コンピューターの理想郷を夢見た男の話です。 目次 自分を表現するために… 考えるということはシーケンシャルではない Xan