ようやくここから今年行ったもの。東博の春日大社展に行ってきた。春日大社が約20年に一度の式年造替を行うので,その間に神宝が外に出てきた形である。展示物は春日大社を描いた掛け軸や彫刻,過去に奉納されてきた品々や,神事・祭儀に用いる道具類が主であるが,奉納された品々では勇ましいことに太刀や鎧が多いのが特徴的である。主祭神が武甕槌であるので,武具が多いのであろう。おそらく,企画展の目玉の一つが鎧というのも珍しい話ではなかろうか。 春日大社を描いた作品群は,見渡す限り鹿しかいないという様相で(ダジャレではない),これは春日大社創建の由来による。武甕槌が鹿島から春日大社のある御蓋山の移動する際に白鹿に乗ってきたという伝説から,春日大社は鹿をシンボルとしている。現在の奈良公園に連中が跋扈しているのも,こうした事情から丁重に扱っているためである。なお,奈良県としても鹿が増えすぎていて食害等の被害が大きく