あんこが食べられない。物心ついた頃から、食べられない。他には好き嫌いは特にないのだけど、あんこだけダメだ。正確にいうと、食べられるんだけど、特段美味しいと思わない。「甘い」以外に何も感じない。だから、アンまんとか、たいやきといった類の物は、これまでほとんど食べたことがない。羊羹に至っては、おそらく生まれてから一度も口にしたことがないように思う。「ぼたもち」なんて、それが何なのか、どういう形状かすらわからない。そんなものが棚から落ちてきても迷惑だ。「それは美味しいあんこを食べたことがないからだよ」と言われたことがあるけれど、確かにそうかもしれません。けれど、そんなに好きでもないものの味をあえて探求する気も起きず、よって「匠の手による絶品のあんこ」みたいなものを食べる機会もなく、苦手なまま今現在に至っている。 だからたとえば、会社でまわってきたおみやげが「もみじまんじゅう」だったりすると、ちょ