図3◎掘削・攪拌用のウオータージェットを搭載したチャンバー。直径1.2×高さ2mで,質量は約840kg。 清水建設は2009年3月6日,ロシア科学アカデミー陸水学研究所と北見工業大学,北海道大学と共同で,バイカル湖の湖底で湖底表層に閉じ込められたメタンハイドレート(MH)からガスを解離・回収する実験に成功したと発表した。海底や湖底の表層にあるMHからガスを解離・回収したのは,この実験が「世界で初めて」(清水建設)という。 MHは,メタンを低温・高圧の状態で海底や湖底に閉じ込めた物質(図1)。海底などの深層,地下100~300mに豊富に存在しており,現在のMH回収プロジェクトの多くは,この深層MHを回収対象としている。だが,近年の調査研究により,海底や湖底の表層にもMHが存在していることが分かってきた。日本近海では,オホーツク海や日本海の表層で,その存在が確認されているという。 深層MHは,