森林総合研究所などは8日、伊豆諸島の御蔵島(東京都御蔵島村)で、野生化したネコが、渡り鳥のオオミズナギドリを最低でも年間約3万5000羽を捕食していると算定した調査結果を公表した。人が観測する前にネコが捕食していたため、オオミズナギドリの調査記録よりも5週間早く帰島していたことなども明らかになった。研究者らは野生化したネコが生態系に影響を与えているとして、捕獲などの対応を国や都に求めている。 同研究所や東京大、北海道大などの研究グループが、島で野生化しているネコの冬季の食性を調査。オオミズナギドリが越冬期から繁殖期に移行する1~3月初旬に捕獲された野生化ネコのフンの内容物を分析したところ、1月29日に捕獲されたネコのフンにオオミズナギドリが含まれていた。オオミズナギドリは深い森の中で穴を掘って巣を作るため観察が難しく、これまで最も早い調査記録の3月10日より5週間も早く帰島していたことが判