国立情報学研究所(NII)で長らく量子コンピューティングの研究を携わってきた宇都宮聖子さん。新たに進む道は自動運転だ。プログラミングやFPGA設計の経験まで持つ生粋のリケジョが、なぜ自動運転の世界に飛び込んだのか? 学生時代から持ち続けてきたモノ作りへの思いと、アカデミック分野から飛び立った挑戦について聞いた。(インタビュアー 大谷イビサ) 世界の最先端に興味を持ち、光半導体を触りながら実験 中学時代からBASICのプログラミングに親しんでいた宇都宮さんは高校も理数科。愛媛県出身ということで、素朴に東京に出たいというモチベーションで、東工大に入り、画像処理を研究していたバリバリのリケジョだ。その後、2003年頃に東京大学に修士として入り、量子コンピューターの分野に飛び込んだ。 「もともとAIに興味があったのですが、コンピュータの理解を深めて自分の強みを作ろうと、画期的なコンピュータと言われ