【11月1日 AFP】店に来た客たちは、はかりの上に白い塊を置き、それと引き換えに食用油や卵といった食料を持って帰る──。世界一のコカイン生産国であるコロンビアのジャングルの奥地では、コカインペーストが現金の代わりになる。 「何でもこうやって売り買いしている。現金は珍しいし、いざというときのためにとっておく」と話すのは、店主のロレナさん(26)。生まれてこの方、手にしたことがあるのは現金よりも白い粉の方が多いという。 ビールを買うのでも、売春婦を呼ぶのでも、地元の人々はこの方法で支払いを済ませる。コカインやその原料となるコカペーストが物を言うのだ。 ロレナさんが7年住んでいるラパス(La Paz)村は、コロンビアで最も発展が遅れている南東部のグアビアレ(Guaviare)県にある。イニリダ(Inirida)川の川岸のジャングルに囲まれた小さな集落で、住民は300人ほどしかいない。赤土の道は