*最近、この読書ノートの改訂版を、拙著『《20世紀史》を考える』勁草書房、二〇〇四年、に第一一章、一二章として収録した。しかし、元のノートと改訂版の間には若干の異同があるので、このノートは元のままの形でここに残しておくこととした(二〇〇四年五月)。 いうまでもなく歴史研究入門の古典中の古典である(1)。私は若い時期にそれほど大量の古典を読まなかった人間だが、本書については、大学入学後まもない時期に読んだ。正確な時期や印象などについては記憶がおぼろになっているが、およそ一九六〇年代末のことであり、本書が元来刊行されてから数年後ということになる。それ以来、何度となく折りに触れて読み返したが、特に全体を精読したのは一九八〇年代末頃(これも正確な時期については記憶が曖昧になっている)と今回(二〇〇〇年)とである。およそ二〇年ぐらいおきにきちんとした再読に取り組んだということになる。 一九六〇年代に