そいつを皆に触らせてみましょう。すると、見た目の軽快な印象とは違い、ずっしりと重い金属の塊であることがわかると同時に、非常に精巧にできたソレの使い方がわからず、はじめてソレが未知の文化圏から来た製品であることを理解することでしょう。 実は、このカメラ、1970年代に市販されていたドイツ製のフィルムカメラです(設計はドイツですが、なかにはシンガポール製もあり)。 製造したのはローライ社。カメラ好きじゃなくても、ローライフレックスという二眼カメラについては映画や雑誌で目にしたことがあるかと思います。ローライ社は、当時から高性能なカメラをつくるメーカーとしてカリスマ的存在でしたが、70年代初頭に超コンパクトなカメラを製造しました。それがこの「ローライA110」です(自動露出機能を省いたE110という機種もある)。