尋常ならざるクオリティでテレビアニメ、劇場アニメを作り続ける京都アニメーションによる新作『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。本作は同社が主催するアニメ脚本・ラノベのコンクールで初めての大賞を取った小説を原作としており、Netflixと提携して全世界同時配信を行うなど、話題作が多い同社の作品の中でも特に注目度が高い作品となっている。 物語は架空の大陸の都市ライデン(時代背景やテクノロジーの描写からすると、第一次世界大戦後のヨーロッパが近いように思える)で、タイプライターによる口述筆記や手紙の代筆を生業とする「自動手記人形」となった義手の少女ヴァイオレット・エヴァーガーデンの成長を主軸として展開されていく。ヴァイオレットは先に終結したばかりの戦争において活躍した異常な強さの少年兵で、感情や言葉の意味に疎いがゆえに、手紙を送りたい、誰かに思いを届けたいという人々の想いに触れるたびに、自身の感情