網膜にレーザー光を当てると、空中に17インチに匹敵する画面が浮かび上がる。この網膜走査ディスプレーを使った製品が、約1年後に登場する予定だ。生産管理や保守・点検、警備など、様々な分野での応用が期待されている。 現場から離れず、作業しながら様々な指示書を読める――。NECが2010年11月の出荷を目指して開発中の「テレスカウター」は、工場などの製造現場や保守・点検の作業現場で、複雑な操作なしに指示書などを読める新しいコンピューターシステムだ。 網膜にレーザー光を照射 その最大の特徴は、「網膜走査ディスプレー」というメガネ型のディスプレーで情報が表示される仕組みだ。網膜走査ディスプレーは、ブラザー工業が開発した製品で、眼鏡のつるの部分に黒い装置が取りつけられている。 重さは35gと軽く、メガネをかけていてもストレスはあまり感じない。黒い装置はレーザー光を発射するもので、そこから斜めに飛び出た透