ノルウェーでは毎年、数週間に及ぶ大規模な気候フェス「Klimafestivalen 112」が開催されています。2020年は1月11日~2月2日まで、気候変動や環境に関連するイベントが全国各地で盛り上がります。 子どもから大人まで楽しめる無料イベントでは、地球に負荷が少ない暮らしはどのように可能か、たくさんのアイデアやインスピレーションを受けることができます。 18日には首都オスロのフィヨルド沿いエリアで気候フェスがありました。 プラスチックのゴミで作った恐竜 Photo: Asaki Abumiフィヨルドの底のゴミフィヨルドというと、大自然と山々に囲まれた広大な景色を想像するでしょうか。首都では、まるで川のように、フィヨルドが静かにひっそりと街中に入り込んでいます。 フェスでは潜水士がフィヨルドの底に潜って、市民がポイ捨てしているゴミを実際に目にすることができます。 Photo: Asa
北欧ノルウェーの環境団体が主催するプロジェクト「プラスチックをできるだけ使わない生活」に参加しました。 詳細記事「プラスチックをできるだけ使わない・減らす生活に挑戦中! 北欧式・楽しんでエコな暮らし 33の工夫」 今回はその報告レポートです。2週間参加してみると、思わぬ良い変化が見られました。 生活を変えると、考え方も変わる普段は意識していなかったことに頭のアンテナが反応するようになり、新しい情報が入ってくるようになりました。今まではスルーしていたプラスチックフリーに関する商品や情報に敏感に。 「どうすればプラスチックを減らせるだろう?」と、自分の頭でもんもんと考えるようになり、生活が少しずつ変わりました。買い物をするときに、「この商品や服は本当に必要なのかな?」と考えるのが癖になると、金銭的にも節約にもなります。 プラスチックをできるだけ使わないことに集中していると、自然とゴミそのものを
「グリーンウォッシュ」という指摘は、企業の商品担当者なら誰もが耳にしたくない言葉だ。 企業の真意はどうだったかは別として、事実上はグリーンウォッシュという商品や広告は存在している。 グリーンウォッシュとは、あたかも環境に配慮しているかのように見せかけて、消費者に誤解を与えるようなことを意味する。 環境や気候変動の対策が求められる現代、できるだけエコな商品を買いたいと思う市民は多い。 「グリーンウォッシュではないか?」と、ひと呼吸おいて考える習慣は、今後より重要なスキルとなるだろう。 どの企業も、意図してグリーンウィッシュをしようとしているわけではない。願わくば。そのような指摘はどこも避けたいし、大きなニュースとなってしまえば、企業イメージへの打撃は大きい。 ファッション業界で続くグリーンウォッシュ北欧のファッション業界でいえば、H&Mは特に批判の対象となりやすい。 6月、ノルウェー消費者庁
北欧ノルウェーの首都オスロで、気候危機の原因となる二酸化炭素などの排出量ゼロを目指すための会議「ゼロ・カンファレンス」が開催された。 王室関係者、首相や閣僚、環境団体、企業などが集まり、互いの目標や対策を発表しあい、人脈を広げ、インスピレーションを与え合う場所だ。 このような催しでは、会場中でサステイナブルな工夫を見ることもできる。 ノルウェーで有名なゼロエミッション会議Zerokonferansen Photo: Asaki Abumiゴミの分別は6種類Photo: Asaki Abumiゴミの袋は6種類あり、以下に分けられる。 食べ物紙いろいろと混ざったゴミガラスとメタルプラスチックパント(デポジット式の飲料水容器。後でお金が返却される)「食べ物」のゴミ袋には、たくさんの紙コップなどが入っている。実はこれは、来場者が間違えて捨てているのではない。会場で使用されている食器の多くが、生分解
パンは、老若男女に愛される食べ物だ。その一方で、捨てられる量も多い。デンマークでは、食品ロスとして捨てられる食べ物のうち、およそ20%がパンやケーキなどから発生しているという。そんな捨てられる運命にあるパンを、ケーキ、デニッシュ、アイスクリーム、ビールなど、全く異なる新たな製品として生まれ変わらせる。それが、デンマークのコペンハーゲンで誕生したfoodpeople(フードピープル)だ。 foodpeople(フードピープル)の入り口。デンマーク・コペンハーゲンの中心地からかなり離れた郊外にある(筆者撮影)foodpeople(フードピープル)のコンセプトは他に例を見ない。もともとは、2カ国のベーカリーが合体したものだ。イタリアの「Il Fornaio」というブランドと、デンマークの「Jalm & B」「Trianon's」というブランドのコラボレーションである。 デンマークの食品ロスを、5
今、プラスチックをできるだけ使わない挑戦をする2週間プログラムに参加中です。 主催者はノルウェー最大規模の環境団体のひとつである「私たちの手の中にある未来」。 首都オスロなどの、複数の街の市民が参加して、みんなでプラスチックを減らす工夫をしています。 環境団体のプロジェクト担当者のサンドラさん、やる気満々 Photo: Asaki Abumiプラスチックを「全く使わずに」、ということではありません。それは、現実的に難しい。「ほんのちょっと」減らすことは、個人レベルでどれほどできるかという企画です。 今回の企画では、「Ducky」(ドゥッキー)という、ノルウェー発のサイトが共有プラットフォームとして使用されています。 個人や企業がどれほどのカーボンフットプリント(我々の活動による排出量の足跡)を残しているかを、把握しやすくしたものです。 サイトにログインすると、以下のようなことが可能 毎日ど
2019年10月9日付の日経ビジネス(オンライン)に、「食品ロス」の量、もっとちゃんと算出しませんかという記事が掲載されていた。2030年までに食品ロス量を半減させるという数値目標が定まっている、にもかかわらず、その定義や算出方法が曖昧である、という指摘だ。 筆者の最初のキャリアは日用品メーカーの研究所だ。その後の食品メーカーでも、皮膚や腸内環境の臨床試験を行い、データを取っていた。データの重要性や、統計値に「ウソ」があることは、少しだけ把握している。 確かに日経ビジネスの記事の指摘通り、算出方法は曖昧だ。だが、筆者は、下記3つの主な理由により、「年間の食品ロス643万トン」や「2030年までに半減」という数字に、あまり意味があるとは思っていない。昨年と今年に2回、生出演した久米宏ラジオなんですけどという番組でも言及した(番組では久米宏さんも「政府の統計値は信用できない」と発言)。 恵方巻
ダイナミックプライシングとは?需要と供給に合わせて価格を変動させる「ダイナミックプライシング(Dynamic Pricing)」。AI(人工知能)に基づき適正価格を決めるこの仕組みが少しずつ浸透してきている。消費者としては、航空券や宿泊予約の価格でおなじみかもしれない。閑散期と繁忙期では、倍以上、価格が違うこともある。 食品の場合、消費期限や賞味期限が近づくと定価から値引きされる。 このダイナミックプライシングの実証実験を行ったイスラエルの会社がある。「Wasteless(ウェイストレス)」だ。2018年1月、スペインの首都マドリードの小売店で実験したところ、食料廃棄量が32.7%削減され、収益が6.3%増加したそうだ。 日本でも、パナソニックと、福岡のスーパーのトライアルが、2018年2月に実証実験を行っている。 国(経済産業省)がダイナミックプライシングなど電子タグの実証実験を東京都内
2019年2月上旬、株式会社日本フードエコロジーセンターの高橋巧一社長を訪問した。製造工場で途中まで作られたけれども出荷されなかった食品や、スーパー・百貨店で売れ残った食品などが、ここに運ばれてくる。とはいえ、ほとんどは自治体で焼却処分されているので、ここに運ぶのは、ほんの一部、意識の高い事業者だけだ。 テレビやインターネットで多くの人が目にしている恵方巻き廃棄の写真の多くは、日本フードエコロジーセンターで撮影されたもの、もしくは提供されたものではないかと思う。毎年、節分前後には、多くのメディアが高橋さんのところに殺到するからだ。 だが、殺到するものの、報じるマスメディアは、売れ残り食品の処理に我々の税金が1兆円近く投入されている現実まで、充分に伝えきれていない部分が多いと感じる。 高橋巧一社長(筆者撮影)コンビニ・スーパー・百貨店・飲食店の食品ごみは事業系一般廃棄物 事業者も払うが市区町
ヨーロッパでは食品ロスの意識が高まっている。スローフード発祥国イタリアは、日々の食事を楽しむ姿勢に溢れており、フランスに次いで食品廃棄禁止法が成立し、欧州諸国のモデルにされる国だ。ゼロウェイスト(無駄なし)宣言の自治体が270もある。11日間イタリアを訪問し、イタリア最大手の食品企業などを取材した。クルージングやビュッフェの残りをフードバンクに寄付するなど、日本にはない取り組みが行われていた。 形が悪く色がまだらなパプリカを量り売りで売る、COOPの生鮮食品売り場。筆者撮影食べ残しを無駄にしない ドギーバックとパーティの残り真っ赤な色がイタリアらしさを際立たせるドギーバッグ。ドギーバックとは、外食で食べきれなかった食事を持ち帰るための容器だ。イタリア国内で環境配慮に取り組む「エコレストラン」に認定されているレストランは、55自治体にある139店舗(ERICA社による)。そのうちの1店舗Ri
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