ブックマーク / nazology.net (12)

  • 研究者を苦しめたチート能力を持つ「物理学の悪魔」たち - ナゾロジー

    科学の理論分野の研究においては、議論を行うために大胆な仮定を導入することがあります。 この方法は時間・空間・金銭などの理由で人間の手で再現困難な状況について考えたいときに特に有効です。 例えばアインシュタインらは光速に近い速度で飛ぶことができるロケットの存在を仮定して特殊相対性理論を考察したと言われています。 このような試みは思考実験と呼ばれます。 実際にやってみることが難しくても、その状況を頭の中でシミュレーションすることで科学者は数多くのヒントやひらめきを得てきました。 思考実験は科学の歴史にとって有益な営みです。 そして思考実験は同時に、超人的な能力を持つ存在を仮定することで、研究者の頭を悩ませるような問題を生み出してきたという側面もあります。 その存在は「悪魔」と呼ばれています。 悪魔は研究者を苦しめ、しかし確実に科学を前へ進める存在として立ちはだかってきました。 今回はその中でも

    研究者を苦しめたチート能力を持つ「物理学の悪魔」たち - ナゾロジー
  • 宇宙は137億歳なのに観測可能な宇宙の直径が930億光年である理由とは? - ナゾロジー

    少なくない人々が「宇宙が137億年前に誕生したのならば、宇宙の半径も137億光年なのではないか?」と間違った考えを持っています。 興味深いことに、この誤解は根強く、現在においても世界各国の科学雑誌や科学ニュースサイトでも、しばしば見受けられます。 今回は「地球の全周」や「銀河団の直径」からはじめて、観測可能な宇宙の直径、そしてその外に広がる宇宙全体の直径まで順に述べて解説しつつ、誤解の原因に迫りたいと思います。 ※1 レオナルド・サスキンド . 宇宙のランドスケープ 宇宙の謎にひも理論が答えを出す . 2006 . 日経BP . ISBN 978-4822282523 https://www.amazon.co.jp/dp/482228252X ※2 Itzhak Bars; John Terning . Extra Dimensions in Space and Time. 2009 .

    宇宙は137億歳なのに観測可能な宇宙の直径が930億光年である理由とは? - ナゾロジー
  • 自然の中で過ごすと「時間の流れ」がゆっくりに知覚される - ナゾロジー

    「時は金なり」という格言があるように、現代社会に生きる私たちは”時間”に追い立てられる日々を送っています。 今や誰もが時計に従って行動していますし、時間を気にせずに生活できる人はほとんどいません。 しかし時計を気にしすぎることが返って、「もうこんなに時間が経ってしまった」という時間の損失感や欠乏感を生んでしまいます。 多くの現代人がそうした問題を共有する中で、どうすれば”豊かな時間”を取り戻せるのか? フィンランド・トゥルク大学(University of Turku)は今回の新たな研究で、その答えを「自然」に見出しました。 研究者によると、自然の中で過ごすことで「時間の知覚」がゆっくりになることが示されたというのです。 自然が現代社会における”精神と時の部屋”として、私たちに時間を与えてくれるかもしれません。 研究の詳細は2024年3月5日付で科学雑誌『People and Nature

    自然の中で過ごすと「時間の流れ」がゆっくりに知覚される - ナゾロジー
  • 「0」を”思う”ときの脳活動は「1」に近い!捕食者への恐怖がゼロの根幹だった? - ナゾロジー

    「何も存在しないこと」が「ある」、それが0です。 英国のユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)で行われた研究によって、ゼロを認識しているときの脳活動は「1」を思っているときの脳活動と最も近いことが判明しました。 また研究では、ゼロという概念に反応する脳活動が、動物にもともと備わっている「存在しないことを知覚する機能(知覚的不在)」に基づいている可能性が示されました。 一般的に、ゼロの概念はインドで「発明されたもの」と考えられていましたが、どうやらゼロを理解するための素質は、人間の脳に先天的にプレインストールされていたようです。 研究者たちは「現在の私たちが持つゼロの概念は、捕者がいる状態「1」といない状態「0」を区別するための機能を、転用した可能性がある」と述べています。 研究内容の詳細は2024年1月30日にプレプリントサーバーである『bioRxiv』にて「無から有を生み出す:

    「0」を”思う”ときの脳活動は「1」に近い!捕食者への恐怖がゼロの根幹だった? - ナゾロジー
  • 人間の尻尾がなくなった理由!「尻尾がなくなる遺伝子」を発見! - ナゾロジー

    霊長類は大きく2つのグループに分けられます。 それは「尻尾のない類人猿」と「尻尾があるサル」です。 ヒトを含む類人猿の祖先は今から約2500万年前にそれ以外の霊長類から遺伝的に分岐し、サルが持っていた尻尾をなくしました。 しかしこれまで類人猿から尻尾がなくなった遺伝的な原因は特定されていなかったのです。 ところが今回、米ニューヨーク大学ランゴーン医療センター(NYU Langone Health)の研究により、尻尾のない類人猿にはあって、尻尾のあるサルにはないDNA断片がついに発見されました。 このDNAをマウスに挿入すると、生まれてくる子供から尻尾が消失しました。 研究の詳細は2024年2月28日付で科学雑誌『Nature』に掲載されています。

    人間の尻尾がなくなった理由!「尻尾がなくなる遺伝子」を発見! - ナゾロジー
  • オーガズムは脳回路を「再配線」させて絆を作り出していたと判明! - ナゾロジー

    「H」の次が「I」なのは自然なことでした。 米国のテキサス大学オースティン校(UT)で行われた研究によって、オーガズムの回数が増えれば増えるほど、カップルたちの脳が作り変えられる「再配線」現象が進む可能性が示されました。 研究では人間と同じ一夫一制をとるプレーリーハタネズミの脳全体の3Dマッピングが行われており、交尾回数を重ねて脳の再配線が進んだとされたカップルたちでは、脳活動の驚くべき同調性がみられるようになっていました。 研究者たちはプレスリリースにて「同じような仕組みが人間にも存在しており、オーガズムが絆形成を促進している可能性がある」と述べています。 また興味深いことに、絆が結ばれている同性ペア(兄弟など)と異性カップル(オス/メス)では、同じ脳領域が活性化していることも示されました。 単なる快楽の極と思われていたオーガズムが、いったいどんな仕組みで脳の再配線を行っているのでしょ

    オーガズムは脳回路を「再配線」させて絆を作り出していたと判明! - ナゾロジー
  • 子宮に胎児がいない⁈ 「腹腔で赤ちゃんを妊娠」した極めて稀なケースが報告される - ナゾロジー

    ヒトの胎児は決まって、母親の子宮内部である「胎内」で育ちます。 しかし仏レユニオン大学病院センター(Le CHU de La Réunion)は最近、あるフランス人女性が子宮の外側である「腹腔(ふくこう)」の中で赤ちゃんを妊娠するという極めて稀なケースを報告しました。 腹腔は胃や腸といった大事な臓器を収めているデリケートな場所で、ここで胎児が発育することは普通ありえませんし、母子ともに非常に危険です。 どうしてこんなことが起こったのでしょうか、また女性と赤ちゃんは無事だったのでしょうか? 報告の詳細は、2023年12月9日付で医学雑誌『The New England Journal of Medicine』に掲載されています。 Baby is born alive after growing in mother’s abdomen for 29 weeks https://www.live

    子宮に胎児がいない⁈ 「腹腔で赤ちゃんを妊娠」した極めて稀なケースが報告される - ナゾロジー
  • 2025年に「土星の環」が消える!「土星の環の消失現象」とは? - ナゾロジー

    土星の環は1610年に、イタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイ(1564〜1642)によって発見されました。 太陽系内では他に木星や天王星、海王星がリングを持ちますが、どれも形が不完全だったり細かったりして、土星ほど完全ではなりません。 天体観測においても土星の環は大きな注目ポイントとなっています。 しかし来たる2025年に、土星の環は地球から見えなくなるというのです。 一体なぜ土星の環は消えるのでしょうか? Saturn’s Rings Will Disappear From View In 2025 https://www.iflscience.com/saturns-rings-will-disappear-from-view-in-2025-71417 Photograph Saturn’s rings before they disappear from view https://

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  • 毎日生ワサビを食べるだけで記憶力が改善されると判明! (2/2) - ナゾロジー

    ワサビの摂取で記憶力が向上!実験の参加者は、同大のある宮城県仙台のタウン紙に掲載した広告から募集し、60〜80歳の男女72人(平均年齢65.43歳、男性19人・女性53人)に協力してもらいました。 参加者には、糖尿病や心臓病、精神疾患といった病気の既往歴がなく、また日頃から特定の薬剤を服用していたり、大量の喫煙や飲酒をしていない人を選んでいます。 その後、実験期間の前後に「記憶力」および「認知機能」を測定するテストを受けてもらいました。 記憶力では、個人が経験した出来事に関する「エピソード記憶(=長期記憶)」と、現在進行中の作業に深く関わる「ワーキングメモリ(=短期記憶)」を調べています。 認知機能では、目標達成のために計画を立てて行動・思考する「実行機能」のほか、脳の「処理速度」や「注意力」を調べました。 そして参加者を2つのグループに分け、一方には寝る前にワサビ抽出物を含む錠剤(ヘキサ

    毎日生ワサビを食べるだけで記憶力が改善されると判明! (2/2) - ナゾロジー
  • 50%以上が「人工合成DNA」で作られた酵母の作成に成功! - ナゾロジー

    命の設計が進んでいます。 米国のニューヨーク大学の医療部門ランゴン・ヘルス(NYU Langone Health)で行われた研究によって、全ゲノムの50%以上が人工合成DNAである酵母が作成されました。 人工合成されたDNAは、コンピューター上で設計され、数千カ所の変更を加えた上で、実験室で1塩基ずつ人工的に組み立てられています。 研究者たちは残りの50%についても1年以内に人工合成DNAに置き換えることを目指していると述べています。 もし実現すれば、完全に無から組み立てられたDNAを持つ、最初の真核生物(合成酵母)となるでしょう。 研究内容の詳細は2023年11月8日に『Cell』をはじめ複数の論文にて同時公開されてました。 Debugging and consolidating multiple synthetic chromosomes reveals combinatorial g

    50%以上が「人工合成DNA」で作られた酵母の作成に成功! - ナゾロジー
  • 日本に「新たな陸地」が誕生!硫黄島沖の火山噴火ですでに300m級の島に - ナゾロジー

    今、硫黄島の南東沖に”新たな島”が誕生し、国内外で大きな話題となっています。 これは同地で10月下旬から始まった海底火山の噴火により、岩塊や軽石が積もってできたもの。 島の大きさはすでに直径300メートルに達しており、このまま火口から溶岩が噴出して島を覆えば、波に浸されずにそのまま残る可能性が高いという。 日にまた新しい島が仲間入りするかもしれません。 報告の詳細は、2023年11月2日付で東京大学地震研究所のプレスリリースに掲載されています。 2023年10月30日硫黄島沖噴火と新島形成について https://www.eri.u-tokyo.ac.jp/eq/20249/ New Island Emerges Off Japan After Powerful Underwater Volcano Eruption https://www.sciencealert.com/new-i

    日本に「新たな陸地」が誕生!硫黄島沖の火山噴火ですでに300m級の島に - ナゾロジー
  • ヒトの神経を3Dプリントし移植後に「知覚を回復」させることに成功! - ナゾロジー

    3Dプリンターという言葉はどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。 個人レベルでも手軽にDIYを楽しむ方や、人の手では製作困難な形状も作れるので、企業の製品開発にも利用され始めています。 そんな中、バイオ3Dプリンターが再生医療の未来に大きく貢献しそうです。 バイオ3Dプリンター技術が発展すれば、「人体に移植する臓器をドナーからではなく、人の細胞の一部を用いて臓器をプリントアウトする」というSF感満載な夢の技術を実現できるかもしれません。 今回は、3Dプリンターって何?どんな分野で普及してきているのかざっくり丁寧に説明し、 日発のバイオ3Dプリンターを用いて実際にヒトの末梢神経の再生に成功した世界初の偉業を解説します。 この成果は2023年4月に京都大学医学部附属病院のウェブページにて公開されました。 三次元神経導管移植の医師主導治験の結果 https://www.kuhp.k

    ヒトの神経を3Dプリントし移植後に「知覚を回復」させることに成功! - ナゾロジー
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