類まれなる芳香を放ち、多くの人を魅了する……。ピノ・ノワールという品種からつくられたワインは、そんな魅力をもつことが多いものです。そして最近、日本でもピノらしさをもったワインが少しずつ見つかるようになりました。この秋にも、とても魅力的な日本のピノ・ノワールのワインが登場します。長野県小諸市の御牧ヶ原にあるジオヒルズワイナリーが初めてリリースする、「中棚ピノ・ノワール」です。ワインをグラスに注いでみると、フレッシュなラズベリーの香りが立ち上ります。その香りに、スパイス、土っぽさがしだいに絡まってきて、なんとも妖艶な印象です。濃厚なワインではないのですが、果実味と酸のバランスが絶妙で、しっとりとした仕上がりで心地よい。余韻の酸も伸びやかに続きます。 実はこのワインは昨年、つくり手の富岡隼人さんが委託醸造先のワイナリーでつくったもの。今秋オープン予定の自身の「ジオヒルズワイナリー」ができる前だっ