寝るのが大好きで 布団の中でうとうとするのが至福の時間 朝寝坊して良いとなれば、いっくらだって夜更かしできる だから早朝の空を見たことは ほとんどなかった 実家の2階にある寝室の窓は西向き 大学時代も西向きで 東京で働いていた頃は真南だった 子供の頃から 窓を通して見る空は西が多く 夕焼けは見ても 朝焼けを見た記憶がない そして、窓から見る空は 木や建造物に遮られて 小さい それがドイツに行った途端 どの窓も急にこれまでにないサイズに大きくなった ドイツでは一回引っ越ししている はじめに住んだのは 夫の前任者から引き継いだ 7階建ての最上階 備品が古くて、冷蔵庫には霜がつくし ドイツの家には標準装備と聞いていた 食洗機もなかった 大家さんの好みを反映した 備え付け家具は アンティークのバタフライテーブルだったり 飾り棚だったりしたのだが 傷だとか変色だとか これまでの住人の歴史が深く刻まれ