よく晴れた朝に つるつるした 秋の 青い 空 切り出された 先端で いびつな円が 身をよじっている 待ちわびた 秋なのに もう 夏を 思い出している 肌の下が さわさわと ざわめいている 小さな冬の塊 家の陰で 震える それを 身体に抱えて 凍える よく晴れた 朝に 波の頭を 一つ 乗り越える 安定軌道をふと飛び越えた 円 が 滑り落ちる 不愉快な面を 逃れた円は 苦しく笑い くるくると するすると 螺旋を描き 加速し 地面に 突き刺さる と 冷たい風 命を断った 彼の言葉に 震えたのは ここ に 溜まった 小さな 水銀の 滴だけ ほら 震えている きぃん と 響いている 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon 【現代詩】「よく晴れた朝に」 次の季節は常にすでにすぐそばにきているイメージ 現代詩の試み またお