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ブックマーク / rionaoki.net (53)

  • ブログが本になりました | rionaoki.net

    長らくブログの更新が止まっていましたが、この度、ブログの記事からITに関するものを中心に加筆修正、追加を行い出版させて頂くことになりました(タイトルについては出版社で決めて頂きました)。 思うところがあり(※)、大学を休学してしばらくいろいろな仕事をし、現在はフルタイムでマーケティングをやっています。アカデミックなキャリアに戻ろうという気は今のところないので、経済に関するになるということでいい区切りかなと思います。この点は、案件を進めていただいたピーチプレスの桜井さんとインプレスの畑中さんに感謝です。 今後、このブログは個人ブログとして自由に更新していき、経済学に関するコンテンツを新しいドメイン(econ101.jp)に追加していく予定です。後者に関しては、Twitterを通じて知り合った安藤至大さんと企画しているもので、経済学の理解を広めるためのプロジェクトとして運営していきます。是

  • Sonyは何の会社? | rionaoki.net

    何やらSonyについて盛り上がっているようですが、Sonyが今どんな会社かはIR情報を見れば分かる。 これが2010年第二四半期のビジネス分野別売上だ。青い部分がSonyと聞いてまず思い浮かぶ電気製品の類で、緑はPlayStationのようなゲーム体やゲームソフトだ。後はSony PicturesやSony Music Entertainment、そしてソニー生命・ソニー損保・ソニー銀行といった金融業務となっている。こうみると一般の消費者のイメージ通りエレクトロニクスとプレステの会社かな?と思われる。 しかし、会社にとって売上よりも大事なモノがある。それは利益だ。各セクションの売上高と利益が上のグラフにまとめられている。利益を一番稼ぎ出しているのは金融業務で、エレクトロニクス関係は利益率が相当低い事がわかる。映画にいたってはマイナスで、かろうじてプラスのゲーム関係もようやく黒字化といっ

  • グルーポン・ストアとローカル広告市場 | rionaoki.net

    Googleがグルーポンを買うのか買わないのかという話は全然追えていないけど、グルーポンが近日提供するというGroupon Storesは興味深い。グルーポンのバリュエーション高すぎという話やカルチャーが違いすぎとかいう話を見かけるが案外ありかもしれない。 Groupon 2.0, You Better Believe This Is The Future Of Commerce グルーポン・ストアが提供する機能それ自体は実は真新しくない。 グルーポンに自社のページを作れる (「健全な」10%のマージンで)自分のグルーポンが作れる 作ったグルーポンは適切にマッチングされたユーザーのフィードに流れる その他、客と店との標準的なソーシャル機能が実装される 自社ページを作れるなんて単なるモールだし、クーポンなんて自社サイトで作れる。ソーシャル機能が欲しければTwitterでもFacebookでも

  • 要らない保険 | rionaoki.net

    保険会社の粗利益率(というか付加保険料)は相当高いので(※)起こったら当に支払いできないような出来事以外で保険に入るのは基的に損だ。 (※)とはいっても普通公開されていないので何とも言えない(ライフネットは公開している模様)。 10 Types of Insurance You May NOT Need この記事では特に必要ないと思われる保険が10挙げられている。誰でも一つ二つは入ったことがあるのではないだろうか。 レンタカーの保険:クレジットカードで十分。これは有名。 クレジットカード保険:クレジットカード付帯の保険ではなく、死亡や障害の際に残りを払ってくれる保険。生命保険でカバー。 航空生命保険:飛行場で入れる生命保険。他の生命保険もあるし、そもそも飛行機墜落の確率って…。 なりすまし犯罪保険(?):日ではあまり聞かないが、なりすましによる被害に対する保険。これはクレジットスコア

  • 中国の発展と政治 | rionaoki.net

    ノーベル平和賞でまた中国政治的問題が浮かび上がる一方で、中国の発展は続いている。この経済と政治との乖離をどう説明するべきか。面白いグラフが紹介されている: William Easterly Is Shrill! 中国の経済成長に関して独裁的な体制がプラスに働いているという人は多い。確かに、あれだけの大きさの国が秩序を維持しているのは強権的な体制によるものだろうが、経済成長自体から独裁制を擁護するのは難しい。 これは紀元後のアメリカ中国の一人当たり精算を表したグラフだ(元データはこちら)。1800年当たりからアメリカが爆発的な成長を始める一方で、中国は1500年ぐらいのレベルで停滞している。 こちらは1900年から1970年までの推移だが、相変わらず中国は停滞し続けている。 そして最期がここ四十年のグラフだ。中国が遂に経済成長を見せている一方で、絶対的水準は依然として低いままだ。これらの

  • 喫茶店のグルーポン利用 | rionaoki.net

    グルーポンについてはTogetterでも話題になったが、喫茶店オーナーによる生々しいグルーポンの感想が反響を呼んでいる。 Posies Cafe » Blog Archive » Groupon in Retrospect グルーポン(ないし同様のクーポンサイト)を利用しようという飲店経営者は必見の内容となっている。 We were going to offer a $6 for $13 (pay $6 and get $13 worth of product) because John told me people really respond to deals that are over 50% discount. この喫茶店では$13の商品を$6で提供しようというクーポンを売りにだしたそうだ。 John told me that when the consumer pays les

  • おかしなことばかりの「奨学金」 | rionaoki.net

    どうしようもない記事なのでブログでも。 奨学金の条件「社会貢献活動への参加」追加へ 文部科学省は、国費を財源とする無利子奨学金の貸与を大学生らが受ける際の条件について、成績や世帯収入に加え新たに「社会貢献活動への参加」を追加する方針を固めた。 税金が入った無利子奨学金を受ける際の基準に社会貢献活動が追加されるというニュースだ。ツッコミどころがありすぎて何から始めたらいいか分からない程のダメさ加減だが三点ほど。 名称がおかしい まずは、何度も指摘しているが、「奨学金」という言葉遣いだ。無利子奨学金というのはあくまで貸与であって、政府の補助は「無利子」の部分でしかない。はっきり教育ローンと呼ぶべきだ。 目的に対して手段がおかしい 次に、この政策はその目的を果たすと思えない。 同省は、公費で学ぶ学生に社会還元の意識を根付かせたいとしている。 どうも希望と現実が混同されているようだ。社会貢献活動を

  • 変わるコンテンツの主流 | rionaoki.net

    ネットの主役は誰なのか。一つの指標は誰が一番帯域を使っているかだ。以下の表は北アメリカにおける帯域使用率トップ10だ(出展)。 Netflix’s Squeeze — No Not That One, The Other One 左側がアップストリーム、右側がダウンストリームを示している。アップストリーム(一般ユーザーからの発信)では相変わらずP2P(BitTorrent)が首位を占めているが、注目はダウンストリーム(ユーザーにとってのダウンロード)だ。なんとNetflixが20%を超える帯域を利用しており、その割合はHTTP、つまり通常のウェブブラウジングに迫っている。ビデオ配信だけ見てもYouTubeの二倍だ。その他にも大量の画像を共有しているFacebookや音楽ファイルをダウンロードさせるiTunesがトップ10にい込んでいる。 映画テレビにおいてもネットでのストリーミングへシ

    HeavyFeather
    HeavyFeather 2010/11/16
    テレビで楽しんでいたコンテンツもウェブにシフトか。実際のデータを見ると驚きだなぁ
  • デジタル化契約 | rionaoki.net

    講談社が著者に不利な契約書を送りつけていることに対する批判記事だ。 池田信夫 blog : 講談社の「デジタル的利用許諾契約書」について 批判の内容は次のようなものだ。 出版社がデジタル化を独占する 15%の印税率が低すぎる 問題だらけの指摘ではあるが、まず第一に、これらの批判が全て正当だとしてもそれは講談社への批判にならない。契約書を送りつけているだけで契約は成立はしないので、もし著者に一方的に不利な契約を提示しているなら損するのは講談社だ。デジタル化について事前に契約で定めていなかった出版社は弱い立場にいる。 詐欺のように不利な契約を騙して結ばせるということはありえる。しかし、講談社のような企業が法的に問題のある行為に及ぶとは思えないし、出版社と著者とは長期的な関係にあるので一度限りの裏切りは出版社の利益にならない。将来の出版を考慮して一見不利なデジタル化契約を結ぶことはあるだろうが、

  • 新規店舗とレビューサイト | rionaoki.net

    べログの悪いレビューが新規開業店舗を潰してしまうというエントリー: べログが、レストランを潰す – Feel Like A Fallinstar 新規店舗はレビューも少ないので悪意のあるレビューワー(例えば競合店)によって悪いレビューがつけられると困るという話。もちろん、ユーザーもそういったレビューが存在すること自体は理解しているが、「火のないところに煙は立たぬ」的な論理で客が遠のくのは想像に難くない。 しかしこういったレビューサイトもレビューが有用でなければ成立しないわけでただ手をこまねいているわけではない。 べログのレビューを見てみれば、ユーザーには過去のレビュー数、レビューには参考票の数が表示されている。後者は新規店舗では期待できないが、前者のレビュー数はそのレビューワーが真面目にレビューしているかを知る手がかりになる。他にもお店全体の点を表示する際にこういった数字を考慮して計

  • Facebookとリクナビ | rionaoki.net

    Facebook Japanの児玉太郎さんへのインタビューが話題になったが、早速日でのペネトレーション戦略が明らかになった。 リクナビ2012|学生のための就職活動・就職情報サイト Facebookが就活中の学生に対し、同じ大学で同じ分野を志望する学生や内定生、OBなどを検索する機能を提供し、それにリクナビがトラフィックを誘導している。 これはFacebookが日に足場を築く上で賢い作戦だ。「Wave開発中止のポイント」で述べたように、ネットワーク効果の強い業界に参入するためには「ブロック」を抑える必要がある。アメリカでFacebookは一流大学の学生というブロックから始まった。 リクナビとの提携は「就活生」という日独自の集団を狙っていることを意味する。就活生にとって必要なコミュニケーション相手は他の就活生や企業関係者にほぼ限定されているためブロックとして優秀だ。そして、リクナビはこ

  • 英語のアクセント | rionaoki.net

    経済とは何の関係もないが、あまりにも面白かったので紹介。 YouTube – The English Language In 24 Accents イギリス各地のアクセント、アメリカの複数のアクセント、日人を含めた外国人のアクセントを全て一人でしゃべって録画してある。イギリスのアクセントの細かい違いはよく分からない(というか一部は聞き取れもしない)が、アメリカのアクセントや外国人のアクセントは相当にあたっているように思う(ナイジェリア訛りも似ているそうです;日人と中国人はいまいちかな)。全部聞き取るのは至難のワザだが、逆に言えば共通の発音なんてないし、分かりやすい発音である必要ですらないことがよく分かる。個人的な慣れもあるだろうが、外国語訛りのほうがイングランドの訛りよりも余程聞き取りやすい。

  • Amazonのユーザー参加 | rionaoki.net

    べログが(悪い意味で)話題になったが、ユーザー参加型のサービス自体はこれからも伸びる一方だ。 What Motivates Amazons Hardcore Raters? ユーザーレビューといえば老舗とも言えるのがAmazonだ。Amazonでは当初からユーザーが書評をアップロードする仕組みができている。この記事ではそのAmazonで大量のレビューを公開しているユーザーのプロフィールやモチベーションを紹介している。 And that explains why Amazon’s reviewer system is so successful. It’s built entirely on the back of the everyman. Cholette might call herself a fitness enthusiast, but she still spends mos

  • 航空業界の再編 | rionaoki.net

    ではJALの整理解雇が話題だが、アメリカの航空業界では破綻なんて珍しくもない。 Converging Flight Paths – Graphic – NYTimes.com 1978年の自由化以来、ローコストキャリアーの台頭から、合併・破産を繰り返してきた(ローコストキャリアーもまた生き残っているのはSouthwestとJetBlueだけか)。レガシーキャリアで破産していないのAmericanぐらいだ。 とはいえ、この熾烈な競争は消費者にとっては急激な低価格化を意味し、それを先導したSouthwestはこの図にある全期間において業界最高の利益率を達成している。 AirlineWikipedia, the free encyclopedia Analysis of the 1992–1996 period shows that every player in the air tr

  • ハリウッド女優の最期 | rionaoki.net

    まさかこのブログでリンジー・ローハンを取り上げるとは思わなかったが、面白い話なので。 It Could Take Ten Years for Lindsay Lohan’s Career to Recover, Experts Say アルコール・薬物依存の更生施設から出たばかりで早速、コカイン・アンフェタミンで捕まったリンジー・ローハンの女優としてのキャリアが終わったというストーリーだが、その理由は麻薬使用それ自体ではない(それならとっくに終了しているはずだ)。 “She is absolutely uninsurable even if a studio was willing to take the risk and hire her, so in this case its only time that can heal.” 問題は保険だ。映画制作のためには多額の資金が必要で、これ

    HeavyFeather
    HeavyFeather 2010/10/03
    映画作りのリスクテイク。保険を使ったりと、巨額のお金が動く裏側のドラマは面白い
  • 食べログの収益化 | rionaoki.net

    店のレビューサイトであるべログがiPhone用アプリの課金を始めたそうだが評判はあまり良くない。 カカクコム、初の利用者向け有料サービス 「べログ」で 検索した飲店を、評価点数やアクセス数などで自由に並べ替えられる機能を加える。料金は月額315円。 まあ、iPhoneユーザーはブラウザでもアクセスできるし、アプリにだけ課金してもあまり害はない。しかし、こういったサービスはいかに利用者を増やすかが鍵だ。しかも、iPhoneから専用アプリを使ってまでアクセスしたいユーザーはレビューを書くようなコアユーザーである可能性が高くそこに課金するのは賢明とは思えない(アプリを使ってレビューしたら料金免除というのもありだが)。 逆にこういったユーザー層をいかに優遇するかがポイントだ。例えば同種のサービスをアメリカで展開するYelpはYelp Elite Eventというものを開催している。これは

  • 超ヤバい経済学 | rionaoki.net

    原書に対する海外での評価については「SuperFreakonomicsまとめ」で取り上げた。その時の主な意見は次のようなものだ: 前作の「ヤバい経済学」と比べると、レヴィット個人が関わった研究を越えて様々な話題を取り扱っている。 その一方で個々の記事の質には疑問を持つ専門家が多い。 取り上げられている話題は社会的にも重要なものが多い 面白さを優先するあまり奇抜さを狙い過ぎている。 奇抜さを狙う(逆張りをする)人のことをコントラリアン(Contrarian)と言うが、この手の経済学啓蒙書の多くは常識に反する現象を経済学を使って説明するという構成を取る(簡単なところで最低賃金をあげると仕事が減る)のでそれ自体は珍しくない。前作「ヤバい経済学」が出版されたときには同じようなが少なかったこともあり大ベストセラーになったが、現在では同種のはいくつもあり、このでなければいけないということもないだ

  • Appleのプライシング | rionaoki.net

    Appleの巧みな価格付けを解説した記事。 How Apple plays the pricing game 一つの戦略は囮価格(price decoy)だ。当に買わせたいものと、それより劣った製品・サービスを同じような値段で提示することで前者が魅力的に映る。 […] Apple has started to build smaller, 7-inch versions of its iPad tablet, […] If you wonder why in the world Apple would add yet another potentially cannibalizing product to its lineup of iPods, iPod Touches, iPads, laptops and computers, realize that this gadget is

  • 年金は経済問題じゃない | rionaoki.net

    年金・社会保障の負担が大きな話題になっているが、それは経済問題なのだろうか。 Overcoming Bias : Old Are Lazy, But Fit Scienceからの表で各国の高齢化の様子を三つの指標で表している。一番左側は65歳以上、すなわち高齢者が15-64歳の生産年齢人口に対してどれくらいいるのかを示している。小学校なんかでも習う、大人一人あたりが担う高齢者の数だ(しばしば逆数をとって、高齢者一人あたりを何人で支えるか、という形で紹介される数字だ)。 グラフにしてみるとこんな感じだ。高齢化が進んでいく様子がよくわかる。日は既にここに登場する国の中では最も高齢者が多く、今後も伸び続けると予測されている。2045-2050年には15-64歳一人につき0.8人近くの高齢者がいる計算だ。高齢化が問題だと言われるのはこのせいだろう。 何故65歳以上を高齢者と呼ぶのだろう。統計上は

  • ソーシャルゲームの戦略 | rionaoki.net

    追記:そもそもの前提が正しくないという意見もあるようですが、自分でTVCMを見ていないので判断がつきかねます。サラ金パチスロ云々の話は着想のネタと捉えて頂ければ幸いです。メインストリーム化に伴い、自制心が低く割引率の高い層の取り組みが重要となり、ソーシャルゲームはそこに適応しているというのがポイントです。 テレビ広告を実施する企業はどんな企業かについての議論が面白かった。 Togetter – 「佐々木俊尚@sasakitoshinao氏の、ソーシャルゲーム評、ソーシャルゲームネタと、それに対するツイートまとめ」 RT @igi: サラ金(消費者金融)→パチスロ→法律事務所→ソーシャルゲームとTVCMに出稿する広告クライアントの主流は21世紀以降移り変わってきたけども、業態は違えど”これらのビジネスターゲット”が全く変わっていないことに注目すべき テレビを使って広告を打つ企業はサラ金、パチ