「光」を歌い、「環世界」をつなぐ音楽 本作に流れる音楽を再び聴いてみよう。すると、一つ気づくことがある。それは、夕暮れやうっすらと差し込む朝日、気だるい午後の太陽、夜明けの光など、日の光について歌った曲が複数使われているということだ。映画の幕開けにかかるThe Animals “House of the Rising Sun”をはじめ、オーティス・レディング “(Sittin’ On) The Dock Of The Bay”、The Kinks “Sunny Afternoon”、ニーナ・シモン “Feeling Good”といった曲たちが、それぞれの仕方で日の光の機微を歌っていることと、映画本編において木漏れ日や朝日、夕日のモチーフが再三にわたって映し出されるのは、単なる偶然ではないだろう。日の光が風に揺れる木立に差す、そのときだけに現れる彩。あるいはまた、日の光が作る影の重なり合いと
![ヴェンダースが音楽を教えてくれた。最新作『PERFECT DAYS』もその選曲は健在 | NiEW(ニュー)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/609e4a1bda36f7539c637181bed2407217696f7b/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fniewmedia.com%2Fwp-content%2Fuploads%2F2023%2F12%2Fbfc5ae26de0dc1e00ccd1407c9de55df-1280x720.jpg)