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ブックマーク / synodos.livedoor.biz (11)

  • SYNODOS JOURNAL : 法を守る理由 大屋雄裕

    2010/9/130:0 法を守る理由 大屋雄裕 なぜわれわれは法を守らなければならないか。 この質問は一般的に、たんに法の命ずるところに反する行動を取らないこと(遵守compliance)だけではなく、たとえその内容が自らの信念に反しているとしても、それを尊重すること(服従obedience)の問題として理解されている。 ソクラテスがそうしなかったとき、彼は単に法に《従わされた》のではなく、自発的に《従った》のである。だが、それは何故なのだろうか。 ◇愛に基づく議論、公正による議論◇ この問題に答えるひとつの典型的な方法は、家族愛ないし同胞愛に訴えることである。 ソクラテスがまさにそう述べたように、国家なくして個人は存在しないのだからそれは親のごときものであり、親の命令を子が聞くように、自らを生み出した国家の命令に個人はしたがわなくてはならないというわけだ。 だが個人が集まって国家をつく

    HideAutumn
    HideAutumn 2010/09/19
    最後の「リアル・ポリティクス的な視点」というのはある意味魅力的な考え方であり、これに反駁するのは容易ではない。一方、前半の論考は少し単純に過ぎるのではないか。
  • SYNODOS JOURNAL : 人々を魅了する華麗なる天才〜J・M・ケインズ 橋本努

    2010/9/110:0 人々を魅了する華麗なる天才〜J・M・ケインズ 橋努 1936年に発行された『雇用・利子および貨幣の一般理論』は、それまでの経済学を「古典派」に追いやったと言われる。以後、70年代に「新自由主義」的な経済学に主流の座を奪われるまで、ケインズという存在は経済学の中心であった。そして、現在、「新自由主義」が後退するなかで、再び、ケインズは注目されている。抜きん出た才能で、人々を魅了し続けてきたケインズとは、いったいどのような人物なのだろうか。ジョン・メイナード・ケインズ(1883-1946)の友人で『芸術』の著者でもあるクライブ・ベルは、次のような回想を残している。 「陳腐なことを逆説に変え、逆説を自明の理に変えること、類似点と相違点を発見ないしは発明すること、さらにまったく異質な着想を結びつけることにかけては、ケインズは最高度の才能をもっていた。そのようにして人を楽

    HideAutumn
    HideAutumn 2010/09/19
    橋本努によるケインズ評伝。
  • SYNODOS JOURNAL : リチャード・ローティを脱構築する(1) 橋本努

    2010/9/180:0 リチャード・ローティを脱構築する(1) 橋努 0.はじめに 「それを言っちゃぁ、おしまいよ」――世の中には、聞いてしまったら身も蓋もない答えが返ってくるような問いがある。哲学者リチャード・ローティが執拗にたずねまわるのは、そんな問いだ。 だが一方で、ローティの痛快さを嫌う人も多い。批判者たちによれば、「ローティのいうアイロニストの語彙では、民主主義を支持する理由を次の世代へ伝えていくこと はできない」。 あるいは、「ローティの哲学的見解を棄ててはじめて、アメリカにおける高等教育の水準が回復される」、「ローティは右派のアラン・ブルームと同様に、余暇と教養のあるエリート層のことしか気にかけていない」、「もし大衆がローティのようにアイロニストの態度を取れば破滅的な結果(失業)を招 きかねないので、相変わらず国旗に敬礼し、人生を真面目に受け止めるであろう」、「ローティは

  • SYNODOS JOURNAL : 消えゆく「新しい公共」と、台頭する新世代の社会起業家たち 西田亮介

    2010/9/80:0 消えゆく「新しい公共」と、台頭する新世代の社会起業家たち 西田亮介 鳩山前内閣において、「新しい公共」というコンセプトが話題になったことは記憶に新しい。「新しい公共」円卓会議のウェブサイト(http://www5.cao.go.jp/entaku/index.html)などにその軌跡は詳しいが、「国民一人一人が公を担う」という鳩山内閣の「友愛社会の実現」というビジョンを具体化したものだった。実際、「有識者」だけではなく、社会問題の解決を事業によって実現する社会起業家たちも同会議に参加するなど、画期的な構想だった。 残念ながら、有識者のバックグラウンドがばらばらで利害関係が一致せず、議論が噛みあわなかったこと、伝統的な共同体や習慣を含めて「新しい公共」とまとめたこと、他の具体的な行政改革と連動させられなかったこと、そして何より「国民一人一人が公を担う」という主題が、国

    HideAutumn
    HideAutumn 2010/09/19
    はたして外国では日本と違って、こうした非営利団体への理解・支援が充実しているのかというと、それはよく知らないが、非営利組織がこれから重要な社会的役割を担っていくであろうことは想像に難くない。
  • SYNODOS JOURNAL : 実業から生まれた自由経済の理論〜デヴィッド・リカード 橋本努

    Tweet 2010/9/40:0 実業から生まれた自由経済の理論〜デヴィッド・リカード 橋歴史に名を残した第一級の経済学者とは、通常、高等教育を受け、大学教授という肩書きをもっている人がほとんである。ところがリカードはそうではない。彼はもともと株式仲介人であり、巨万の富を築いたビジネスの成功者だ。実学で培ったビジネスの嗅覚をベースに、経済理論を体系化させたリカードは、古典派経済学の完成者と呼ばれている。二一歳のデヴィッド・リカードは、一大決心をした。 「若いリカードは、こうして自らものを考えることができるようになり、まもなくユダヤ教の信仰に、あまり愛着を示さなくなった。リカードは、ユダヤ教から完全に離れるために、キリスト教徒の女性と結婚したのである。このことは彼の母を大いに怒らせ、母は息子を家から追放するよう、父に強請したのだった」(リカードの存命中に刊行された『万国知名人録』より

  • SYNODOS Blog : 遅ればせの「所信表明」 荻上チキ

    Tweet 2010/9/10:0 遅ればせの「所信表明」 荻上チキ 「シノドスブログ」を開始し、同時に朝日新聞社の運営するウェブサイト「Web論座」に記事提供を開始してから(シノドスジャーナル http://webronza.asahi.com/synodos/ )、あっという間に2ヶ月がすぎた。開始以来、試行錯誤で更新してきたものの、まとまったかたちでこのブログについての「所信表明」のようなものを書いていなかったので、改めて書いてみようと思う。http://synodos.jp/mail-magazine は、理論性・思想性の強い連載や長文セミナーの模様が掲載される“熟考型”のメディア。対して「シノドスブログ」は、より時事性の強いテーマについて、各論者に情報発信をしてもらう“拡散型”のメディアを目指している。 シノドスではこれまで、各専門分野の成果を分かりやすく発信してくれる多くの若手

  • SYNODOS Blog : 支援者を支援するということ 山口浩

    2010/8/170:1 支援者を支援するということ 山口浩 少し前のことになるが、鳩山前首相がツイッターに「私に「裸踊り」をさせて下さったみなさん、有り難うございました」と書いて一部の話題を呼んだことがある。(http://twitter.com/hatoyamayukio/status/16213064980)辞任直後のため深読みされてしまったきらいがあるが、読めばわかるように、「新しい公共」についての発言だ。 とはいえなぜここで「裸踊り」ということばを使ったのか、これだけではわからない。これは、今年2月に米国で開催された会議「TED2010」(http://conferences.ted.com/TED2010/)のなかの、「社会運動はどうやって起こすか」と題する講演で紹介された動画を念頭においたものだ。その内容は講演の模様とともにYouTubeに公開されている。 動画(http:/

    HideAutumn
    HideAutumn 2010/08/30
    ベンチャーキャピタルが日本では少ない理由はよくわからないが、「投資」とか「儲けること」が卑しい行為だと考えられている風潮はあまり好ましくないというのはその通りだろう。
  • SYNODOS Blog : ミネラルウォーターと保育園 鈴木亘

    2010/8/230:0 ミネラルウォーターと保育園 鈴木亘 いま、ここに120円のペットボトルのミネラルウォーターがあります。今日もとても暑く、わたしはこのミネラルウォーターを120円で買えることに心から満足をしておりますし、他の人びともやはり満足して買ったに違いありません(そうでない人はそもそも買わないから)。一方、この水を売っている企業も、やはり、利潤を上げて満足しているに違いません(利潤が上がっていなければ、そもそも企業が存続していないから)。これがわれわれの生きている資主義経済、もしくは市場経済というものであり、水の需要者(消費者)と供給者(販売企業)がともに、市場によるこの取引によって利益を上げて、効率的に社会が運営されています。 ところが、ここで与党の政治家達が、「たかが水に120円もの高い価格をつけるとはケシカラン。低所得者にとって120円は高すぎるではないか。水は生活に

    HideAutumn
    HideAutumn 2010/08/30
    面白い譬え話だった。
  • SYNODOS Blog : ベーシック・インカム論(2) 橋本努

    2010/08/0400:00 ベーシック・インカム論(2) 橋努 2.基所得論の実効的な困難 以上、基所得論のさまざまな魅力について述べてきたが、実効的な困難もある。 しかしこうした政策の大転換は、実効的には難しい。もし実行すれば、新たに別の問題が発生する。例えば、基所得を給付して最低賃金法を撤廃する場合、移民労働者にはどのように対応すべきであろうか。資所得を支給されない移民に対して、最低賃金法を適用すべきだとすれば、企業は積極的に移民を雇わないのではないか。すると移民は、技術労働者を含めて、日では労働の機会を奪われることになるかもしれない。 いずれにせよ、実効的には、基所得の導入は段階的になさねばならず、しかもそれは、一部の教育・福祉・医療政策を代替する程度に留まる可能性が高いだろう。 検討すべきは、基所得の理念を、どんな政策によって実現するのか、という問題であ

  • ベーシック・インカム論(1)橋本努 : SYNODOS Blog

    2010/08/0300:00 ベーシック・インカム論(1) 橋努 はじめに 雇用の不安定化や長期失業率の上昇を背景として、近年、基所得(ベーシック・インカム)論を支持する議論が浮上している。 この主張はしかし、「働かざる者、うべからず」という伝統的な倫理観に反するのみならず、マルクス主義を含めた従来左派の倫理観、すなわち「労働は能力に応じて、賃金は必要に応じて」という分配の正当化原理にも抵触する。 基所得論は、「働かざる者も、うべし」といい、また「能力のある者、働かされる必要なし」と講ずるからである。 この倫理観は直感的には受け入れがたいものがあるが、にもかかわらず基所得論は、現代社会の諸問題に対して、政策的にみて最適な解決策を与えるかもしれない。基所得政策の実効的な可能性について検討することは、他の代替的な諸政策を考える上でも、有効なヒントを与えるだろう。 1.

  • SYNODOS Blog : サンデル教授の「コミュニタリアニズム的」共和主義を斬る 橋本努

    2010/8/270:0 サンデル教授の「コミュニタリアニズム的」共和主義を斬る 橋努 去る4月からNHKの教育テレビで連続放送された「ハーバード白熱教室」が、異例の話題を呼んでいる。マイケル・サンデル教授が担当するその講義は、ハーバード大学史上最多の履修者を誇る名講義で、受講した学部生は延べ一万四千人以上にのぼるという。大講堂で繰り広げられるその熱血授業に、テレビを通じて魅了された人も多いであろう。8月25日には東大での公開講義もあって、話題は再沸騰した。 ここにきて規範哲学は、昨年までの「ノウハウ」ブームに代わる新たなニーズを呼び起こしたようである。 サンデル人気にあやかって、雑誌『東洋経済』は、ビジネスマンのための「実践的「哲学」入門」を特集した(8/14-21合併号)。サンデルの講義『これからの「正義」の話をしよう』(鬼澤忍訳、早川書房)は、アマゾンのベストセラー第一位に輝き

    HideAutumn
    HideAutumn 2010/08/30
    最近の異常な盛り上がりに対して、冷静な指摘。
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