ニンテンドースイッチについて知れば知るほど、筆者はスタートレックに登場する「コバヤシマル」を連想してしまう。コバヤシマルとは、スタートレックの士官候補生たちが受けるトレーニング課題で、候補生らは宇宙船コバヤシマルを救助するか否かの選択を迫られる。 救助することを選ぶと、クリンゴン帝国との条約を破棄することになり、彼らから攻撃を受けて自分たちが滅ぼされてしまう。しかし、救助しないとコバヤシマルのクルーや乗客たちは死んでしまう。何れを選択しても勝利することができないという状況下で、どう対応するかがこのトレーニングでは問われる。筆者には任天堂はニンテンドースイッチで勝ち目のない戦いを挑んでいるように思えてならない。 スイッチ向けタイトルは、Wii Uのときのように任天堂ゲームが年間1~3本程度リリースされるだろうが、サードパーティのタイトルはあまり集まらないだろう。競合のPS4やXbox On
任天堂のスマホゲーム「スーパーマリオラン」のアンドロイド版が3月に登場する。iOS版のリリースは昨年12月16日だったから、ずいぶん長い間待たされたことになる。 ローンチ時にマリオランは10ドル(日本では1200円)の「買い切り型」の有料ゲームとしてリリースされた。アップルのアップストアでは無料ゲームとして表示されていたが、しばらくやり込むと突然10ドルを要求される仕様には、一部のユーザーから苦情も出ていた。 当時、筆者は「任天堂はマリオランを10ドルのプレミアムゲームとして公開することで、マリオのブランド力の毀損を防いだ」との持論を展開したが、フォーブスの同僚記者のポール・タッシは「無料ゲームとして公開していたとしても、大した違いは無かった」と指摘した。下記が当時の彼の文章だ。 「任天堂がスーパーマリオランをフリーミアム型で提供していたとしても、ブランドを毀損することはなかっただろう
今月4日に公開された、昨年7月の参院選に当選した121議員の「資産等報告書」。抜け道を使って資産を低く見せかける議員は多いが、「正直者」のセンセイたちを紹介しよう。 資産総額9899万円で、121議員中3位につけた1回生は、元SPEEDの今井絵理子議員(33)。目を引くのは彼女の所有不動産だ。 資産報告には、〈那覇市字当間溝江原〉に337平方メートル、〈沖縄市字嘉良川〉に815平方メートルとある。実は、前者は自衛隊の那覇基地、後者は米軍・嘉手納基地の土地であり、彼女は歴(れっき)とした「軍用地主」ということになる。 事務所の解説によれば、 「今井がSPEED時代に得た金は父親が管理しており、ご指摘の土地は資産運用の一環で購入しています。沖縄では一般的な運用方法ですが、確かに、出馬する前には“土地を親名義に変えたほうがいい”という声もありました。ただ、今井本人は、“軍用地を持っている
売れっ子タレントや車椅子に乗った元スポーツライター……、2016年に槍玉に挙がった人々も、今頃、様々な思いを巡らせ、1年を振り返っているに違いない。が、年の瀬ギリギリに、新たな人物がもう1人。1年を締めくくる“不倫推進議員”の登場である *** 現在、舞台女優として活動する20代の女性、仮に宮本恵子さんとしておこう。彼女の知人から、次のようなセクハラ被害の相談が編集部に寄せられたのは師走に入ってまもなくの頃。内容は、国会議員とある会合で知り合い、後日、飲食店の個室で再会、当初、音楽の話などをしていたが、酔いが回るにつれ、議員が豹変したというものだった。 宮本さんの知人の話。 「向い合せに座っていたところ、隣に座るよう言われ、席に着くと抱き付いてきて胸を触られたのです。さらにセンセイは自分のズボンを脱ぎ始めた。店員が来たので離れたのですが、その後も、家に行こうとしきりに言っていたそう
大作映画であることは間違いない。「ダイ・ハード」のブルース・ウィリスが出演し、美術監督を務めたのは「リーサル・ウェポン」のメル・ギブソン。しかも習近平指導部がバックアップし、製作費70億円が投じられた。中国本土のみならず、米国でも公開が待ち望まれているが、封切りのメドがまったく立っていないという。 *** 問題の映画は、中国で製作された「大爆撃」。日中戦争中、旧日本軍が空爆した重慶に住む人々の交流を描いた戦争映画だ。撮影終了後の昨年11月、中国空軍を支援した米軍の教官を演じたブルース・ウィリスは、米ロサンゼルスで行われた完成記念パーティーの席でこう語った。 「『大爆撃』はとても面白い。家族も面白かったといっていた。また、家族と一緒に観られるように米国での公開を期待している」 中国事情に詳しいジャーナリストの高口康太氏によれば、 「映画を製作したのは、上海快鹿投資集団です。快鹿は、
「土人」発言は差別、人権侵害――。「沖縄ヘリパッド」反対派は口を極めて国を罵っている。では、彼らの言動はそんなに“ご立派”なものなのか。「東日本の米はカンパ禁止」と言い放っているのは、一体、誰か。 *** 反対派はヘリパッド建設現場に入るゲートにテントを張り、そこを拠点に、通行妨害や私的検問といった違法行為を繰り返してきた。 「あいつらはバカ」 と呆れるのは、現場周辺、東村高江地区の住民である。 「ある時“仮設トイレが詰まったからスコップ貸してくれ”と言われた。つまり、穴掘って野グソするつもりなんだ。まだ暑い時には“1週間風呂入っていないから”と女の子が公民館の水道使って水浴びしてたな」 この非常識な“運動”を統率するのは「オスプレイヘリパッド建設阻止高江現地行動実行委員会」だが、 〈支援物資、無洗米(西日本産)、水(西日本産)のペットボトルを送ってください〉 そうFace
壇上でスポットライトを浴びるセ・パ両リーグのベストナインに選ばれた選手たちの晴れやかな表情を、ライトが消された丸テーブルに座った菊池涼介が眺めていた。 11月28日、都内のホテルで行われた「NPB AWARDS」。セ・リーグの二塁手部門は、40票差でヤクルト山田哲人に譲った。チームメートの新井貴浩が選ばれたMVPの得票数も2位だった。2年連続トリプルスリー、精神的支柱ともなった広島のシンボル的ベテランの存在感には勝てなかったのか――。まばゆい壇上と薄暗いテーブル席に、野村克也氏が「王、長嶋がヒマワリなら、俺は月見草」と例えた言葉が思い出された。 今年の菊池の働きもまた月夜にひっそりと咲く月見草のようだったのかもしれない。花言葉にある「無言の愛」で広島を支えた献身性は、派手さはなかった。だが、そこに菊池の進化、凄味が隠されているように感じる。 特別な時間も、続けば知らぬ間に当たり前になっ
オリンピックも終わり、今パリの話題は新学期。新学期というより新学年だ。学校に掲示が張られた学用品を買うことになる。カルターブルというカバンは40ユーロくらいなので、日本のランドセルと比較すれば安いものだ。費用は全部で200ユーロ前後だろう。つつましい。10万円のランドセルを用意する日本のジジババの話はそのうちフィガロあたりが書いて笑いものにするだろう。フランスのテレビ・新聞は新学期ネタで持ち切りだが、毎年繰り返す暇ネタでもある。 本当のネタは、観光産業の苦難と来年の大統領選のことだろう。この二つは関係ないように見える。しかし。パリの多発テロとニースの暴走トラックで世界中に赤信号を送ってしまった。パリの日本人ガイドも困り切っていると聞いた。夏は日本人観光客相手のビジネスは書き入れ時だ。例年8月末は、遅出の観光客とバカンスから戻ったパリジャンが口直しに美味しいものをもとめて街に繰り出すシーズン
<習政権の弾圧はついに親中派の日本人にも及んだ。日本の中国研究の、非現実と無批判が支配する中国論は、曲がり角に差し掛かっている> 「正面からの反論よりも、無視されるのが怖い」 これはある中国人知識人が日本の中国研究の壁にぶつかって漏らした感想だ。彼は漢民族出身で、北京にある政府系のシンクタンクの研究員だった。労働者の待遇改善を求めて、工会(組合)活動に参加したところで逮捕されそうになった。東南アジア経由で日本に入国し、事実上の亡命生活を送っていた。 シンクタンクで培った彼の長年の実地調査の成果は、日本の中国理解に有用なものばかり。そこでいくつかの日本の大学で研究成果を披露したが、「個別事例にすぎない」と教授らに言われた。膨大な内部資料を並べて論理的に説明しても、彼らは「そんなものは見たこともない」と、真摯に耳を傾けようとはしない。 日本人研究者から完全に冷遇され、大いに失望した彼は
対米関係をおろそかにして対中関係を重視した政権は短命に終わることが多い。中国主導のAIIBに参加したり、中国も出資する原発を建設しようとするなど、キャメロン前政権時代に経済優先で親中に舵を切ったイギリスも、いま軌道修正を迫られている 安倍晋三首相は先の参院選で快勝し、宿願の憲法改正に向けて大きく前進した。戦後日本の長期政権を振り返ると、いくつかの共通項がある。佐藤栄作、中曽根康弘、小泉純一郎、そして安倍首相といずれも親米政権だ。次に倒閣運動を起こす強力なライバルが党内に見当たらない。そして参院自民党を牛耳るドンの支持を得ていることだ。第3の要件は2012年に再起を果たした第2次安倍政権から消失した。安倍首相1人に権力が集まり、官邸主導が強まっているからだ。 民主党の鳩山由紀夫元首相を例に上げるまでもなく、対米関係をおろそかにし、対中関係を重視した政権は必ずと言って良いほど短命に終わる。
リオ五輪では、“霊長類最強”の吉田沙保里選手(33)が、史上初の選手団女性主将を務めることになった。彼女自身、4連覇達成への期待もかかっているが、実は、ここ最近、スポーツ紙記者の間で、評判を落としている。荒稼ぎ体質に変わり、「取材するなら3万円」とギャラを要求するようになったからだという。 *** 昨年の暮れ、吉田は10年間所属した「ALSOK」を退社し、現在は、フリーという立場である。 アマチュアレスリングに詳しい、スポーツジャーナリストが解説する。 「ALSOKからは、数千万円の年収を貰っていたはずですが、当然、他社のCMの仕事は引き受けられませんし、テレビ番組やイベントなどへの出演にも制約があった。吉田とすれば、リオ五輪の前で、タレント活動をするのに最も価値の高いうちに、その幅を広げておこうと独立したのではないでしょうか」 確かに、フリーになってからは、「明治プロビオヨーグ
天下泰平の世上は、日本刀のブームだという。とりわけ女子中高生が、ゲームの影響をうけて刀剣美術館に列をなしているとか。 筆者はこれこそが、日本刀の正常な姿だ、と思う。日本刀はつまるところ、鑑賞のためにしか存在しないのだから。 刀剣女子(? のみならず、日本刀愛好家の方々に尋ねたい。 侍が腰に差した刀を、どうすれば抜けるか。これはかんたん、鞘走らせれば誰でも抜ける(腕の長さ、腰などチェックポイントはあるが)。 では、どうやって鞘の中に本身(俗にいう真剣のこと)を納刀するのか。鋒(刃物の先端)は切れる。鞘口(その形状から鯉口ともいう)をおそるおそるのぞき込みながら、右腕を前につき出すようにして、刀を納める時代劇などみたことがない。 剣には残心というものがあり、敵を倒したとしても、注意力は前方にむけられていなければならなかった。鞘口をのぞき込んでいては、ふいに倒れた者に斬りつけられるかも
社民党の福島瑞穂副党首(60)といえば、言わずと知れた人権派である。しかし、「獣権」は不得手らしく、愛犬家、愛猫家たちから不評を買い、炎上する事態に陥っていた。 *** 〈凄まじい危機感の福島みすほ(ママ)です!! 〉 参院選まっただ中の福島氏は6月26日、ツイッターでこう訴えた。自らの名前も「ミス」するほどだから、それは相当な危機感に違いない。実際、あるマスコミの情勢調査で、社民党の獲得議席ゼロとの予測が出て同党に激震が走ったことは本誌(「週刊新潮」)前号で紹介した通りだ。 こうした苦境を受け、福島氏がツイッターで、ある集会への参加を呼びかけたところ、これが大いなる批判を招いた。同月25日、 〈明日26日日曜日は、4時から、銀座ホコ天松屋前で、「ワンちゃん、ネコちゃん、大集合! ころさないで♥」として、ワンちゃん、ネコちゃんが、国政選挙で、犬猫殺処分ゼロを訴える企画をやります。
大蔵省だった頃は「権力の守護神」と呼ばれていた。今の財務省に、その威光はない。 悲願の消費税10%は2年半先送りされ、その先は茫々だ。次は、中期目標に掲げる「2020年度財政基礎収支(プライマリーバランス)の黒字化」の看板を下ろすことになるだろう。アベノミクスのエンジンを噴かす、と豪語する政権に、「財政健全化」は障害物でしかない。 財務官僚に無力感が広がり、「破局願望」さえ漂うようになった。 大蔵官僚が政治家を操ったのは、遠い日の記憶。政権の僕(しもべ)となったこの落日ぶりは、なぜ起きたのか。 ● 官邸に首根っこを押さえられた財務省 抵抗も増税見送りの既定路線は微動だにせず 「お約束とは違う、新しい判断」が示されたのはG7の伊勢志摩サミット終了直後。安倍首相は、2017年4月に設定した「消費税10%への引き上げ」を撤回、2010年10月へと再延期した。財務省は、この瞬間を覚悟し、
オーストリア大統領選の決選投票が22日行われ、右翼ポピュリズム政党・自由党のノルベルト・ホーファー国民議会(下院)第3議長(45)が緑の党出身のアレクサンダー・ファンデアベレン元党首(72)に49.7%対50.3%の僅差で敗れた。票数にすると、222万3458票対225万4484票。3万1026票という紙一重の差だった。 「自由」の2文字が党名に入っているものの、自由党はもともと旧ナチ党員を主な支持層として組織された経緯から「極右」と称される。欧州連合(EU)初の「極右」大統領の誕生は民意の結集で何とか阻止できたが、自由党が50%近い票を集めるのは初めて。大きな衝撃が欧州を突き抜けた。 投票率は72.7%。即日開票の結果、ホーファーが得票率51.9%で14万4千票リード。しかし約70万票の不在者投票が残っていたため23日、不在者投票の開票が行われた。両親がソ連から逃れた難民だったファン
安保関連法に反対するママの会は5日午後、JR新宿駅西口で「新宿ジャック」と名づけた街頭演説会を行った。 「私は南スーダンに派遣される自衛官の母親です。もし息子に何かあったら、誰が責任を取ってくれるんですか。命を返してくれますか。お金を払ってチャラですか」 全国から約60人のママ友が集まり、慣れない街宣車でマイクを握ったり、通行人に選挙の投票を呼びかけるチラシを配った。冒頭の平和子さんは北海道千歳市から駆けつけ、安倍首相に向けて書いた手紙を読み上げた。 「裁判では税金が動くだけ。あなた方が自腹を切るわけではない。私はこの活動をするにあたって、息子一家と縁を切りました。息子に恨まれるより、死なれるほうがつらいからです」(平さん) スピーチを見守る母親たちは息をのんだ。 「息子に書いた絶縁状には、《生き抜け。自分のところに来てくれた宝もの。奥さんと子ども2人、この家族を守って天寿をまっ
舛添要一都知事(67)の三つの政治団体、「グローバルネットワーク研究会」(以下「グ研」)「新党改革比例区第四支部」「泰山会」の政治資金収支報告書(2012~2014年)を「週刊文春」特別取材班が精査した結果、政治資金規正法違反の疑いが浮上した。 「グ研」の収支報告書によると、舛添氏は2013年1月3日に、千葉県木更津市のホテル「龍宮城スパホテル三日月」における「会議費用」として、237,755円を計上している。翌年も1月2日にやはり「会議費用」として、133,345円を計上、その金額は、あわせて371,100円となっている。 正月の温泉リゾートで、いったいいかなる「会議」が開かれたのか。木更津に向かった小誌取材班は同ホテル関係者から次のような証言を得た。 「二回とも、会議は行われていません。舛添さんはお子さんを連れて、家族でご利用になりました。いずれの年もグレードの高い部屋に泊まった
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