街の中央部と兵庫運河を貫いて走るJR和田岬線。運河の左奥は川崎重工業兵庫工場=神戸市兵庫区、本社ヘリから、小林裕幸撮影 120年余にわたってミナト神戸の発展を支えてきたJR和田岬線(通称名、2・7キロ)が、ほかならぬ地元から「廃線」を突きつけられている。背景にあるのは、8日から放映が始まるNHK大河ドラマ「平清盛」が高めた街おこしの機運。「線路が地域を分断している」との声を受け、神戸市は新年度にも、路線廃止を視野に入れた地域活性化策をまとめる方針だ。 1890年開業の同線はJR山陽線の支線で、兵庫駅から南へ枝分かれし、一つ先の和田岬駅で行き止まる。沿線には川崎重工業兵庫工場や三菱重工業神戸造船所の工場群が立ち並び、従業員の通勤路線として利用されてきた。JR西日本によると、1日の乗降客数は平均1万人で、「れっきとした黒字路線。こちらから廃止を求める理由は全くない」という。 ところが