中国で近代最大の経営破綻が生じた時、40億ドルの損失を被る立場にあった外国の債権者たちは、中国政府による救済を要請するために共産党幹部の王岐山氏のもとを訪れた。ところが、債権者は救済ではなく、自由放任主義の経済学の教えを受けることになった。 「市場経済の基本原理は、勝者が勝ち、敗者が敗れるということだ」。王氏はこう語ったという。 1999年に広東国際信託投資公司が破綻した後の強硬姿勢により、王氏は中国高官としては極めて珍しい評判を得た。メディアとの接し方に長け、金融をよく理解し、厄介な問題に取り組む意思を持った率直な人物という評判だ。 現在64歳の王氏はこうした資質のおかげで、共産党が今月、新指導部のラインアップを明らかにする時に、最高決定機関である政治局常務委員会に引き上げられることが確実になった。 消防隊長の異名を取る王岐山副首相 半年前まで、歴史学を学んだ王氏は李克強氏の代わりに、温