川崎市在住の在日コリアンの女性が、自身に向けられたネット上での300件の投稿について、ヘイトスピーチに当たるとして法務局に人権侵犯被害の申告をしたところ、投稿の6割以上が違法な人権侵害と認定された。女性と代理人弁護士が8日、市内で記者会見し明らかにした。一方、女性は申告前に市に対しても投稿の削除を要請したが、大半は市人権条例に基づく「救済」の対象に当たらないとされたといい、代理人は「(市条例の)運用を改善してほしい」と訴えている。 女性は在日コリアン3世の崔江以子(チェ・カンイヂャ)さん(49)。崔さんや師岡康子弁護士(東京弁護士会)によると、崔さんは2020年6月までに約340件の投稿について、川崎市に対し市条例に基づいて削除要請を申し立てた。だが市が、専門家でつくる市差別防止対策等審査会に諮問したのは8件にとどまったという。