【武田千怜のアナザーストーリー】別れすらも明るく-。〝らしさ〟あふれる最後のスピーチは、ファンの心に深く刻まれただろう。今季限りで現役を引退する山崎晃大朗外野手(31)のことである。 10月3日の広島戦(神宮)後に行われた今季の本拠地最終戦セレモニー。高津監督からむちゃぶりされたスピーチで、山崎は「打っても2割5分。盗塁も2桁に届かない。打点もちょっと少ない。全体的に中途半端な成績でしたけれども、9年間ありがとうございました」と自虐的に発言し、神宮のファンの笑いを誘った。 「走攻守三拍子、非常に微妙な選手でした」という指揮官からの〝愛あるいじり〟を受けてのコメントである。突然のふりにも自分らしく対応して、周囲を笑顔にする。チームメートに慕われ、ファンに愛されるゆえんが垣間見えた瞬間だった。 10・3の現役ラストゲームは試合前から〝らしさ〟全開。練習では、川端や中村らナインが粘着テープを使っ