最近よく聞くのが、 「左翼が天皇に頼るだなんて!」 というもの。 前の天皇誕生日に、天皇陛下自身が「憲法を遵守する立場」を明確にしたことで、左派は右派(というか改憲ノリノリの安倍政権)を批判するための格好の材料を得た。 天皇を奉ずる右派が、天皇自身に諌められたわけで、左派がこの機に乗じないはずがない。 ところが、これを見て左翼でも右翼でもない(と自らを規定する)ひとは、違和感を抱かないではない。 左翼は……天皇とか嫌いでしょう? その天皇の言葉に拠って右派を批判するなんて。批判できるなら何でも利用するのか? こういう次第である。 しかしそうなんだろうか? これが長らく疑問だったので、頭が悪いなりに考えたこと(独自研究です)を書き記す。 a)ここでは左翼と右翼を、彼らが拠って立つ「価値」に基づいて区別する。 まず、そもそも左だの右だのというのはフランス革命と産業革命にともなう近代化から生じた