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ブックマーク / petronius.hatenablog.com (10)

  • 『ゆびさきミルクティー』 宮野ともちか著 女装をめぐる自意識のラビリンス - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために

    8新刊が出ていたので、思わず買ってみた。巻と9巻が出ていたので、買ってみた。ちょっと途中から冗長になって、遠ざかって、、、そのままなんでか新刊が出ないので、忘れていたのですが、ストレスがある時は漫画小説でいやすので、バンバンかってしまいます(←反省)。 しかし、これってハーレム的なシュチュエーションなのに「そういう漫画」に見えないのはなぜだろうと前から思っていたのですが、これって女装をめぐる繊細な自意識の話だからななんだろう。そもそも軸は、主人公の「女装癖」をめぐる「自分と世界のとの距離」がテーマの話なんだと思う。 焦点がそっちにあるから、どれほどえげつないセクシャルな話になっても、読者からは、「それが主人公の自意識のひねくれ度合いの反映」と見えるので、あまり情欲的な意味には取りにくいんだと思う。同じ系統でいえば、スタイルが全く違うけれども、実は同じ読後感を少女マンガの志村貴子さんの『放

    『ゆびさきミルクティー』 宮野ともちか著 女装をめぐる自意識のラビリンス - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために
    Imamu
    Imamu 2009/12/01
    『「世界から受け身に愛されたい」という願望』「肉体的なものを除いたものが、中世ヨーロッパで発達させた騎士道~純粋な何かへ、報われることのない忠誠を尽くすことこそ~が「愛」だというナルシシズムの倒錯」
  • 『ベイビーステップ』 10巻 勝木光著 Baby steps to Giant strides〜自己信頼と自己放棄の関係性について - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために

    評価:未評価(まだ完結していないので) (僕的主観:★★★★★星5つ) 「も・・・・もしかして やきもちやいてたりする?」 「や・・・やくよ! 当たり前じゃん」 Baby steps to Giant stridesというタイトルにまつわる言葉が初めて出てきた。訳すと、千里の道も一歩からとかになるのかもしれないが、アレックスがマルオを評した「小さくても無数にある夢を一つづつ確実にかなえていくやつなんだ」ということの方が、質をついている気がする。そして「先のことよりも、まず目の前の一ポイントに勝つことを優先する。これはプロの発想。」というアレックスの評価は、とてもなるほどと思った。 この物語は実に小さなところでいぶし銀のように、「成長していくこと」を、うまく描けていて、とてもとても好き。特に上でp149ぐらいのセリフの抜粋なんだけれども、これが凄くいいのです。 主人公のえーちゃんは、その前

    『ベイビーステップ』 10巻 勝木光著 Baby steps to Giant strides〜自己信頼と自己放棄の関係性について - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために
    Imamu
    Imamu 2009/11/22
    『恋愛の物語=世界からの受容』告白A「自己信頼」-カツマーbut"世界を無条件に受け入れ"難い/告白B「感情信頼」"自己信頼値低"-自己放棄のタイミングbut"肯定して受容し過ぎる"
  • メタ的な意識を持ったハーレムメイカーはどこへ行くのだろう? - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために

    まぁ話としては、どうしても連載を追いたくなるほどでもない普通の話なんだけれども、「ハーレムメイカー」という視点で見ると、非常に興味深い設定をしている作品で、その設定の故か、普通のショートストーリーも凄く深く見えてしまうので、今後、これの「オチ」をどこに持っていくか、ということが凄く気になっている。 というのは、地獄から逃げ出した「駆け魂」というのが逃げ込んだ人間から取り出すという使命を持つエルシィという少女のバディ(協力者)となって、女の子を次々攻略する・・・という話なんですが、この女の子を口説いて「落とす」と「駆け魂」確保できるという設定は、そのものズバリ、何人もの女の子を攻略することができるという現代物語上の嗜好を凄く満たしてくれる設定です。 けどね、、、なかなかこの作品が秀逸だなーと思えるのは、女の子を攻略する側の主人公に、非常に冷徹というか高いメタ意識が存在しているので、とてもクー

    メタ的な意識を持ったハーレムメイカーはどこへ行くのだろう? - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために
    Imamu
    Imamu 2009/10/17
    『コンプレがないように見える安定感のある人格は、あきらかに、物語を拒否する。・・・ある意味、物語を必要とするというのは、いまこの時の充実を、、、、実存をとらえることのできな不完全な人間だから』
  • ハーレムメイカーは、物語の時間性を奪うか?(1) 何を語って、何を目的としているのか?議論の前提を振り返る - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために

    かなり前の書いて、うち捨ててお蔵入りになっていた記事です。少々議論としては古いのですが、まーせっかくなので、ハーレムメイカーを考えるヒントとして、載せておきますので、興味がある人は見てください。 ■直線的な時間感覚から、回帰的な時間感覚へ 基的に、定義をはっきりさせようと考えているのだが、たぶんそれは難しい作業になるのではないかな、という予感がします。なんか、やっていて難しんですよね。なので、ちょっと議論を、大きなベースに戻してみましょう。 「日常」と「非日常」のダイナミズムの中で、「日常」によっていくことは、回帰の時間感覚(=目的LESS)の方向へシフトすることだ、というのが僕の議論の大元です。ここに置いて、日常世界のノスタルジー喚起というドラマツゥルギーを固定化する手法を採用しようとする時に、「関係性の固定化を繰り返すという」手法が繰り返されます。このことを言いかえると、「時が止まっ

    ハーレムメイカーは、物語の時間性を奪うか?(1) 何を語って、何を目的としているのか?議論の前提を振り返る - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために
    Imamu
    Imamu 2009/09/27
    『直線的時間性-非日常/回帰的時間感覚(いまここ)-日常・・・ハーレムメイカー→回帰的な時間感覚→並行世界の物語という類型→倫理的に「止まることが間違っている」という告発』
  • 【映画版エヴァ破考察 その参】 僕たちが見たかった「理想のエヴァ」とは?(2)〜エヴァテレビシリーズと旧劇場版は、エロゲーのバットエンドだったのだ!さあぁ、トゥルーエンドのはじまりだ! - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために

    ■宮崎駿、そしてその後継者たちは何に悩んでいるのか?〜押井守監督のスカイクロラとの比較 『崖の上のポニョ』と『スカイクロラ』にみる二人の巨匠の現在〜宮崎駿は老いたのか?、押井守は停滞しているのか?(2)/スカイ・クロラ編 http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20080823/p4 『崖の上のポニョ』と『スカイクロラ』にみる二人の巨匠の現在〜宮崎駿は老いたのか?、押井守は停滞しているのか?(1)/ポニョ編 http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20080822/p5 さてさて、ちゃんと主題に戻りましょう。宮崎駿御大は、何に悩んでいたんでしょうか?。それは、「正しさ」がよく分からなくなった世界で、しかも「自尊心が壊れてしまった」男の子を主人公とする物語が描きにくくなったということです。言い換えると、この世界が素晴らし

    【映画版エヴァ破考察 その参】 僕たちが見たかった「理想のエヴァ」とは?(2)〜エヴァテレビシリーズと旧劇場版は、エロゲーのバットエンドだったのだ!さあぁ、トゥルーエンドのはじまりだ! - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために
    Imamu
    Imamu 2009/08/16
    村上春樹「金と女に関するファンタジーのような設定」→『性欲や物質欲がある水準を超えて満たされた時に現れてくる人間の本質的な苦悩・・・内面の喪失感をクローズアップするための仕掛け』そう読むのか。
  • 【映画版ヱヴァ破考察 その壱】僕たちが見たかった「理想のヱヴァ」とは?〜心の問題から解き放たれた時、「世界の謎」がその姿を現す  - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために

    ちなみにネタバレなので、見ていない人は読まないでくださいね。2回目の人推奨です(笑)。 ■前向きなシンジくんの物語である「序」を受けて 当に話したいことの核心は、あまりにネタバレなので、まずは周辺部から話してみたいと思う。今日金曜ロードショーで「序」を見直したんだけれども、最初に見た時の感想が非常に正しかったのを思い出した。「序」は、その映像は素晴らしいけれども、テレビシリーズの総集編である域を出ず、僕は音のところでは「なーんだこの程度か」というふうに思ったものだ。 しかし、何かが違う!。それは、当時海燕さんも言っていたが、総じてこの「序」は、碇シンジくんが「前向きだ」ということを評した感想が多かったことが、まずもって一番に挙げられるだろう。僕の友人は「逃げてばかりいたシンジ君が大人になっていて、ちょっぴり好きになった」と言っていました。概ね、誰もがそう思ったと思う。あくまで「ちょっぴ

    【映画版ヱヴァ破考察 その壱】僕たちが見たかった「理想のヱヴァ」とは?〜心の問題から解き放たれた時、「世界の謎」がその姿を現す  - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために
    Imamu
    Imamu 2009/07/11
    自傷系の分析が面白かった。「病んだ少女(ラブ&ポップ)→内面の病み&親のせい(式日)→美しい日常へ!(カレカノ)→悩んでないで、突っ走ろうぜ!(キューティーハニー)」
  • 『true tears』 西村純二監督 「断念の肯定」を描く作家 (1) 寓話の現実昇華機能 - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために

    全体構想の、一部しかかけていないんですが、いつまでたっても書く余裕がないので、まずは、(1)だけ掲載します。 ■日常の関係性を描く人々は、いったい「何」を表現したいと考えているのか? 僕は、基的には「日常の関係性」を描いた作品は、嫌いです、と前提を置いてみよう(実は微妙に違うのだが・・・)。ただ僕が、SFで描く人類や銀河系の視点、それに政治や経済など、人の目には具体的に見えない、この世界を支配するマクロの構造とミクロの動機がリンクし、「世界を動かし変える・翻弄される」という物語を、とびきり偏愛しています。凄く単純化すると英雄端的な物語類型ですね。この世界と自分のミクロの動機や行動がリンクする瞬間が好きというわけですから。 なので、その対比として、「日常の関係性」というものにフレームアップしたものにひどく鈍感になってしまうのです。(精確にいうと、僕は、そういう作品も好きなのですが、好きの感

    『true tears』 西村純二監督 「断念の肯定」を描く作家 (1) 寓話の現実昇華機能 - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために
    Imamu
    Imamu 2009/02/13
    (true tears)(シムーン)
  • ハーレムメーカーは時を止める〜動機の根源に潜む宝箱を開けることは、、、、 - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために

    ■根拠も動機もなく「誰でも助ける」という性格は、ハーレムメーカーなのだ! 『とある魔術の禁書目録』の主人公である上条当麻とインデックスの関係を、ルイさんと話していて、おおっ!と思い当たることがあった。この演出がよくなかったと思った最大のポイントは、「誰でも助ける」という主人公の動機を、物語の脚・演出の中で、説得的に描けなかったからなんだ。えっ?なんで、「誰でも助けるの?」って、疑問に思ってしまう。 ところが、同じ質問を、僕は、西尾維新さんの『化物語』を読んだ時にしているんだけど、『傷物語』(3冊目)まで読んで、そんなこと全く気にならなくなった!と思っているんだよね。今に至るまで、主人公は「誰でも助ける」という動機がどこから来たのか説明されていないし、今後もされないようなのだが、「そういう存在である」ことがとても、素直に受け入れられている(少なくとも僕は)。この差は何なんだろう?。どういう

    ハーレムメーカーは時を止める〜動機の根源に潜む宝箱を開けることは、、、、 - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために
    Imamu
    Imamu 2009/01/16
    『「誰でも助ける」という人格ドラマトゥルギー~「相手の動機の根源には触れる」のに、「自分の動機の根源には触れにくい」』『「主人公の動機の根源に触れない」という設定を置いた瞬間に、ハーレム構造が成立』
  • TURN 25 『Re;』の感想(2)/全能感を告発して暴き立てるのが好きな批判屋さん - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために

    えっと、ルルーシュの感想で書きたいことのメインである、(3)「ルルーシュが世界にかけたギアスとは?」を書くのに、これ書かないと僕の中で整理がつかないので、全然関係ないんですが、まぁー暇があればこれも読んでみてください。たぶん支離滅裂なんで、あまり考え込まないでください。 ■倫理や道徳が全うされないと作品自体の価値を否定する輩がなぜ多いか?〜全能感を告発して暴き立てるのが好きな批判屋さん そして、ちょっと蒙が啓かれた、というか「なるほど!」ということを思いついたのですが、「全能感」というのは、素晴らしいキーワードだな、と思ったんです。日経ビジネスオンラインでの谷口監督のキーワードです。この概念で、かなりの歴史観や大きな流れが睥睨・概観できるように思えるんです。その歴史観は、この章の次に、契約再契約の話と絡めて描こうと思います。 が、それよりもこの「全能感」に、まとわりつく語感に不思議な感じを

    TURN 25 『Re;』の感想(2)/全能感を告発して暴き立てるのが好きな批判屋さん - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために
    Imamu
    Imamu 2008/10/12
    『物語全体の整合性・価値判断を、かなりのウェイトで、1)道徳と倫理(=その時代の)に基盤を』=「人を殺してはいけない教」『全能感(=ナルシシズム・同一化)の解体~全能感の発露と制御という成熟のあり方』
  • 内なるダークサイドフォースとの戦い - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために

    物語を「批評」するときの姿勢について http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20080502/p7 続きです。 引用ありがとうございます。ちょっと思いついた書き足しをw 「物語を楽しむ」世界においても何がファクトか?というのは非常に重要で……というか「楽しむ」という行為はそのほとんどが「主観」によって占められるが故に、現実とのリンク、他者とのコミュニケーション、それによる自らの(主観の)世界の拡がりを促すための「アンカー」のような役割を果たすものなんですよね。 しかし、ビジネスの世界は、何がファクトか否応なく問われ、現実の結果を突きつけられ、それでもまだ檻の中に自らを置くものは容赦なく切られるワケですが(ナルシズムの檻とは理解が違うかもしれませんが…僕は引用文では迷宮という言い方をしていますね)「物語を楽しむ」という世界はそれとは違って、(主観が主体で

    内なるダークサイドフォースとの戦い - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために
    Imamu
    Imamu 2008/05/05
    「カレーをショートケーキとして評価する~対象へのアプローチの独善性」/『「他者に伝えて普遍性を獲得しなければならない!」という思い込み』
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