相模原市緑区の知的障害者入所施設「津久井やまゆり園」で、入所者19人が殺害され、職員を含む26人が重軽傷を負った事件から26日で8年がたちました。元職員・植松聖(さとし)死刑囚は犯行の動機について「障害者には生きる価値がない」と主張していました。優生思想を土台にして、障害者への偏見・差別が横行するなかで起きた事件です。 同様の痛ましい事件を繰り返さないため障害者の尊厳を保障する社会をどうつくっていくのか。向き合い続けなければなりません。 ■優生思想と地続き 優生思想は、社会の役に立たない人間は排除するという考えです。日本では、「優生学」として明治期から教育に取り入れられてきました。日本国憲法のもとでさえ教育課程に組み込まれていました。旧優生保護法が1948年に制定され、96年に廃止されるまで半世紀におよびました。 旧法は「優生上の見地から不良な子孫の出生を防止する」ことなどを目的としました