プロ野球のロッテ・佐々木朗希(20)が10日、史上16人目の完全試合を達成した。佐々木朗の圧巻の投球内容はもちろんだが、同時に注目されたのが、これまでの球界の常識とは少し異なる育成法だった。それはいわば「急がば回れ」。目先の結果を求めず、余裕を持って大器を育てる理由は何なのか。 岩手・大船渡高から2020年にドラフト1位でロッテ入りした佐々木朗。高校時代から最速163キロを誇ったが、球団が選択したのは焦らずに、じっくりと体作りから始めることだった。まだ細身だった佐々木朗は、160キロ超の豪速球に耐えうる体とは言い難かった。大船渡高のコーチだった新沼丞さん(60)は「能力が高いだけに、ケガをするのが一番怖かった」と高校時代を回想。ドラフト指名後に、球団が提示したトレーニング予定を見て「大切に育ててくれる」と確信したという。 育成方針は徹底していた。1年目は1軍に帯同して体作りに専念させ、実戦