世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への献金を巡り、元信者の女性(故人)が教団に提出した「返金や賠償を一切求めない」とする念書の有効性が争われた訴訟の上告審判決で、最高裁は念書を「無効」とする初判断を示した。教団側勝訴の二審判決を破棄し、審理を東京高裁に差し戻した。 同様の念書や書面は15年ほど前から作られ、これがあるために返金や賠償を諦めている人は少なくないとされる。今回の判決は、そうした人たちの被害救済への道を開くものだ。 判決によると、元信者の女性は2005~10年ごろ、寝たきりだった夫の財産など1億円以上を教団に献金した。15年11月には献金は自身の意思であり、返還請求などは一切行わないとの念書に公証役場で署名押印し、教団に提出した。その後、長女と共に損害賠償を求め提訴。死後は長女が訴訟を引き継いだ。一、二審は念書の有効性を認め、請求を退けた。 女性は念書作成時に86歳と高齢で、その