なぜ日本人の手取り収入は下がり続けるのか。人事ジャーナリストの溝上憲文さんは「天引きされる厚生年金保険料や健康保険料などが膨れ上がる一方、支払われる給与はベアと定昇の廃止・縮小、残業代減、家族手当・住宅手当減、ジョブ型賃金制度の導入といった会社側の施策により目減りしている」という――。 手取り収入減…「戦後2番目の景気拡大」が聞いてあきれる 日本人の給与がいつまでも下げ止まらない。 国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、平均年収は1997年の467万3000円をピークに減少し、2020年は433万1000円と34万2000もダウンした。 また、厚生労働省の調査によると、2021年の物価などを加味した所定内給与の実質賃金はわずかにプラスになったものの2022年は再びマイナスに転じた。今年3月以降前年比プラス1%程度の賃金アップが続いている。しかし、最近の物価高を反映し、実質賃金は4月以降