高エネルギー加速器研究機構(KEK)、静岡大学、大阪大学の3社は12月22日、スーパーコンピュータを用いて、超弦理論の予言する10次元(空間9次元+時間1次元)から3次元空間の現実の宇宙が誕生する様子をシミュレーションで明らかにすることに成功したと発表した。KEK素粒子原子核研究所の西村淳准教授らによる研究で、成果は米国物理学会誌「Physical Review Letters」2012年1月6日号(オンライン版1月4日)に掲載予定。 ビッグバン宇宙論によると、宇宙は約137億年前、目に見えないほどの小さな点から大爆発とともに生まれたと考えられている。この理論は、宇宙背景輻射(うちゅうはいけいふくしゃ)や元素の組成などの観測データによって強く支持されているのは多くの人がご存じのことだろう。 その一方で、宇宙全体が小さな点であるような状況は、アインシュタインの一般相対性理論の適用限界を超えて