諏訪 秀麿(物理学専攻 助教) 発表のポイント 反強磁性スピンの密度を下げることで巨大な磁場応答を得ることに成功しました。 希釈によるスピン異方性の制御を理論的に解明し実験的に実証しました。 反強磁性体を用いたスピントロニクスにおける効率的な操作への応用が期待されます。 スピンの希釈による異方性制御 発表概要 東京大学大学院理学系研究科の諏訪助教は、テネシー大学、中国科学院、アルゴンヌ国立研究所、ブルックヘブン国立研究所、オクラホマ州立大学、カレル大学、ダブリンシティ大学の研究グループと共同で、反強磁性スピンを希釈してスピン異方性を制御し、巨大な磁場応答を得るメカニズムを理論・実験の両面から実証しました(図1)。本研究では超格子(注1)中における元素比の制御技術を用いることで、反強磁性体であるイリジウム酸化物のイリジウムをチタンに置き換えるサイト希釈を施しました。その結果、サイト希釈率50