安藤:僕はおおたさんのその視点に共感するんです。 おおた:だって、かけっこが遅い子をつかまえてひとの何倍も走らせたりしないじゃないですか。絵が苦手な子に、ちゃんと描けるようになるまで帰さないとかやらないじゃないですか。でも、勉強に関してはそこまでやることが正義であるかのようについ思ってしまう。 足が遅くても絵が下手でも社会に出て困らないけれど、勉強ができないと社会に出てから困ると、多くのひとが思っているからですよね。 安藤:ジェネラルな学力が何らかの能力を測っていることは確かだけれども、それが社会に実装されたとき本当に意味のある能力なのかといったらそうでもないということはみんなわかっているのに、一方で、学力やその結果得られる最終学歴によって社会に出てからの地位や収入が違ってしまう構造を、受け入れてしまっている。 行動遺伝学の知見から導かれる論理的答え おおた:たまたま知能や学力に関して有利